シリア難民から五輪選手になった少女の実話、スティーブン・ダルドリーが映画化
2017年4月10日 21:30

[映画.com ニュース] 「リトル・ダンサー」のスティーブン・ダルドリー監督が、同作を手がけた英ワーキング・タイトルを再びパートナーに迎え、シリア難民から五輪選手になったユスラ・マルディニの実話の映画化に着手すると、米バラエティが報じた。
2015年、シリア騒乱により難民となったユスラは、ギリシャを目指し姉と共に乗り込んだすし詰めのボートがエーゲ海上で水没した際、乗り合わせた人々の命を救うため海に飛び込み、3時間以上かけて泳ぎながらボートを陸へと押し進めて奇跡的にレスボス島へ辿り着く。その後、ベルリンに住まいを得たユスラは地元の水泳コーチのもとトレーニングを重ね、五輪史上初となる難民選手団の一員として、リオデジャネイロ五輪の競泳バタフライ100メートルに出場。世界中の多くの人々に勇気と感動を与えるだけでなく、各国首脳との会談に加え、世界経済フォーラムで基調講演を行うなど、難民支援の親善大使として精力的に活動を続けている。
「この映画を通して、ユスラのたぐいまれなストーリーを、より多くの人に知ってもらいたい」と抱負を語るダルドリー監督。「彼女の物語は、悲劇的状況下でどれだけ多くの命が犠牲になっているかという痛ましい事実だけでなく、私たち人間が持つ底力や粘り強さについても改めて教えてくれる。平和な世の中にしたいというユスラの夢は、今を生きる私たちみんなにとっての夢でもあるんじゃないかな」。
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