3人1役で主人公を演じ分け!「ムーンライト」3俳優の“選考基準”とは?
2017年3月10日 09:00

[映画.com ニュース] 第89回アカデミー賞で作品賞ほか3冠に輝いた「ムーンライト」で主人公のシャロンを演じた3俳優、アレックス・ヒバート、アシュトン・サンダース、トレバンテ・ローズの発掘秘話が、バリー・ジェンキンス監督やキャスティングディレクターを務めたヤシ・ラミレスのコメントなどから明らかになった。
ブラッド・ピットの製作会社プランBエンタテインメントによる本作。米マイアミを舞台に、貧困地域で孤独な生活を送る黒人少年シャロンが、自己のアイデンティティを模索するさまを少年期(ヒバート)、青年期(サンダース)、成人期(ローズ)の3つの時代に分けて叙情的に描く。各国の映画祭で329部門ノミネート・158部門受賞という驚異的な成績を収めた。
キャスティングに関して、ジェンキンス監督は「僕らは、同じフィーリング、同じ雰囲気、同じ要素をもつ俳優を探そうと思った」と振り返る。製作陣は「映画において、“目”は観客のための窓である」という考えから、同じ雰囲気を感じさせる目をもった3人の演じ手を長時間かけて探し抜いた。ジェンキンス監督と同じくマイアミ出身のラミレスは、キャスティングディレクターになる前は未成年の官選弁護人を志していたという異色の経歴の持ち主。「シャロンには誰か手を貸してくれる人が必要だったの。私はそういった子どもたちを知っていたし、そんな子どもたちのために働いていたから」と本作の脚本を読み、自身が携わることへの使命感をいだいたという。
ジェンキンス監督とラミレスは、オーディションのほか出演者募集のチラシをマイアミの各地に貼り、学校や近隣を回って、少年期の役者を探し続けた。青年期の俳優においては、区域を全米に広げ、オーディションテープや顔写真のほか、高校の演劇プログラムを修了した生徒のビデオクリップをインターネット上で閲覧し、膨大な作業の果てにヒバートとサンダースを見いだした。
ルイジアナ出身の元陸上競技選手であるローズにおいては、元々は主人公の親友ケヴィン役を演じる予定だったという。ラミレスは「キャスティングディレクターとして、(候補者が部屋に)入ってきてすぐ強烈に“これだ”と思うことはあまりないのに、ローズは特別だったわ。男らしい風ぼうに加えて、彼は観客がキャラクターに対して感じる弱さを持ち合わせていたの」と絶賛。「3人には3つの違った時期を一貫して流れる、内なる脆弱性という共通の特徴もあったのよ。それぞれの俳優はそれを目で表現できて、完璧な映画を作るのを助けてくれたわ」と信頼を寄せた。
「ムーンライト」は、3月31日から全国公開。
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
プレデター バッドランド
【ヤバすぎる世界へようこそ】“最弱”ד下半身を失ったアンドロイド”=非常識なまでの“面白さと感動”
提供:ディズニー
人生にぶっ刺さる一本
【すべての瞬間が魂に突き刺さる】どうしようもなく心が動き、打ち震えるほどの体験が待っている
提供:ディズニー
ブルーボーイ事件
【日本で実際に起きた“衝撃事件”を映画化】鑑賞後、あなたは“幸せ”の本当の意味を知る――
提供:KDDI
あまりにも凄すぎた
【“日本の暗部”に切り込んだ圧倒的衝撃作】これはフィクションかノンフィクションか?
提供:アニモプロデュース
盤上の向日葵
【「国宝」の次に観るべき極上日本映画に…】本作を推す! 壮絶な演技対決、至極のミステリー、圧巻ラスト
提供:松竹
てっぺんの向こうにあなたがいる
【世界が絶賛の日本映画、ついに公開】“胸に響く感動”に賞賛続々…きっとあなたの“大切な1本”になる
提供:キノフィルムズ