「アサシン クリード」マイケル・ファスベンダー、人気ゲーム映画化の鍵は「バランス」
2017年3月2日 17:00

[映画.com ニュース] 「X-MEN」シリーズや「SHAME シェイム」などで知られる人気俳優マイケル・ファスベンダーが、製作・主演を務めた映画「アサシン クリード」を引っさげて来日。映画.comのインタビューに応じ、シリーズ累計9600万本以上を売り上げた大ヒットゲームを基盤とした本作の製作過程を解説した。
映画は、現代と15世紀ルネサンス期のスペインという2つの時代が舞台。死刑囚カラム・リンチ(ファスベンダー)が、自身の先祖で、秘宝“エデンの果実”を守っていた秘密組織アサシン教団の一員アギラール(ファスベンダー2役)の記憶を追体験し、果実の謎に迫っていく。人類の自由意志を操るという果実をめぐる歴史ミステリーに加え、“走る・跳ぶ・登る”の動作を極限まで追求する移動術、パルクールを駆使したアクションが全編にわたって繰り広げられる。
ゲームの存在こそ知っていたものの、実際にプレイすることはなかったというファスベンダーだが、シリーズの生みの親であるユービーアイソフトの関係者から説明を受け、作品の特殊な設定やテーマ性にたちまち興味をひかれた。「祖先の体験や知識を自分のDNAが持っていて、アニムス(記憶を呼びさます特殊装置)によってタイムトラベルできる。このアイデアはすごく映画的だし、今日可能な技術かもしれないと感じたんだ。もう1つ魅力的だったのは、テンプル騎士団とアサシン教団という2つの組織の対立。テンプル騎士団は、自分たちの方がエリート組織で、他の人より優位に立っていると思っているし、アサシン教団は、どんなことをしてでも人間の自由な意志を守るべきだという考えを持っている。これは、今日にも通じる非常に現代的なテーマだと思ったんだよ」と語り、シリーズには現実社会とリンクする要素が内包されているとの考えを示す。
人気ゲームの映画化、と聞けば、ゲームファンは再現度の高さを求め、映画ファンは独自の表現に期待を寄せるもの。難易度の高いミッションをどのように成し遂げたのか。ファスベンダーは、こちらの言葉にうなずき「(バランスは簡単にはいかなかったね」と語り出す。
「キャラクターや世界観がこういうものだと書かれたバイブルをユービーアイソフトからもらって、そこから何が1番大事なのかを抽出していったんだ。重要な概念としては、“DNAの記憶”“テンプル騎士団とアサシン教団の対立”“アニムス”“エデンの果実の価値観”、そしてゲーム版で重要な(高所から地面に飛び降りる大技)“イーグルダイブ”も、映画の中で効果的に使えると思った。ゲームファンに人気の部分は入れつつも新しい要素を加えて、たとえばキャラクターを新しくしたりスペインの異端審問を紹介したり、ゲーム版では椅子だったアニムスをカラムと一緒に動くような(アーム型の)ものにしたんだ」と敬意を払いつつ、「マクベス」でも組んだジャスティン・カーゼル監督と共に映画ならではの表現を模索した。
世界観だけでなくアクション面においても「ゲームをすごく研究して再現したよ。アギラールはブレードという(仕込み)ナイフを使うんだが、ということはすごく近くの敵と戦うことになる。スタントチームから指導を受けながら、ゲーム中の動きを尊重して作っていった」と研究と訓練を重ね、流麗な体さばきを会得。「ジャスティンがロケをちゃんと行ってリアルにやりたいという考えを持っていたから、マルタ島のバレッタという町で、屋根から屋根へと飛び移ったり、本当に落ちたり転がったりして撮影したんだ。僕のスタントマンのダミアン・ウォルターズは実際に38メートルの高さからイーグルダイブを決めてみせた。最近のアクション映画ってCGばかり使うから危険なスタントはやらせてもらえないんだ。だから、みんな興奮していたよ。この映画には、実際に生身でやるという精神がみなぎっていた」と力強く語った。
「アサシン クリード」は、マリオン・コティヤール、ジェレミー・アイアンズ、ブレンダン・グリーソン、シャーロット・ランプリングら演技派が名を連ね、作品に奥行きを与えている。3月3日から全国公開。
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