富田克也監督10年越し「バンコクナイツ」公開に感慨 「空族」過去作再上映も決定
2017年2月25日 16:35
[映画.com ニュース] 第69回ロカルノ映画祭若手審査員・最優秀作品賞を受賞した、富田克也監督の最新作「バンコクナイツ」が2月25日、東京・テアトル新宿で封切られ、来日中の出演者スベンジャ・ポンコン、スナン・プーウィセット、チュティパー・ポンピアン、タンヤラット・コンプー、共演の川瀬陽太、共同脚本の相澤虎之助、富田監督らが舞台挨拶に立った。
「サウダーヂ」で話題を集めた映像制作集団「空族」が手がけた新作。“娼婦・楽園・植民地”がテーマで、タイ東北部のイサーン地方やバンコクの日本人専門繁華街タニヤ通りを舞台に、そこへ訪れる日本人たちとタイ人女性たちが織り成す“失われた桃源郷を探す”物語を描いた。
構想に約10年を費やし、最後の1年間はタイに住み込んで撮影を続けた富田監督。約3時間の長尺だが、客席は映画ファンで埋め尽くされており、「こうやって前に出てきたのは、皆さんへのお礼と、彼女たちの顔を見てもらうことが目的です。今後しばらく上映が続きますので、ここで僕たちの写真を撮って拡散していただければありがたい」と感謝を述べた。
タイ滞在中は「金もなく、にっちもさっちもいかない状態」に陥ったそうだが、筒井龍平プロデューサーの男気あふれる出資もあり、完成・公開にこぎつけた。それだけに川瀬は「富田くん、相澤くん、みんなが10年かけてつくった映画です。届いていればいいなと思います」と呼びかけ、「マジで泣きたくなってきた」と感極まっていた。
そして相澤は、「10年ほど前に初めてタニヤ通りに行き、びっくりした。日本語の看板があり、客引きも日本語で話しかけてくる。これは映画になると考えました。タイの人にいっぱい助けられながらつくった作品です」と製作の経緯を説明。富田監督も女優陣に目を向け、「長い間タイと日本を行ったり来たりしながら、この4人と仲良くなっていきました。彼女たちなしに完成しなかったと思います」と感慨深げに語りかけた。
また女優陣はタイ語でトークを繰り広げ、富田監督が通訳する形で舞台挨拶が進行。「撮影で苦労したことは?」との質問に、ポンコンは「イサーン地方の言葉」と回答し、富田監督は「彼女は英語をしゃべれる設定ですが、実際はからっきし。イサーン出身という設定ですが、バリバリのバンコクっ子。彼女がイサーンに帰っても故郷の言葉をしゃべらないのは、日本語で言うと『てやんでえ』くらいのバンコクっ子だからです」と裏話を披露していた。
さらにこの日は、「空族」の過去作が3月4~17日に新宿K's cinemaで再上映されることが発表。「サウダーヂ」をはじめ「雲の上」「かたびら街」「花物語バビロン」「バビロン2 THE OZAWA」「チェンライの娘」「FURUSATO2009」「RAP IN TONDO」「国道20号線」がラインナップされている。
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