山崎賢人&三浦友和、本屋大賞1位「羊と鋼の森」映画化で初共演!
2017年2月3日 05:00
[映画.com ニュース] 2016年本屋大賞で第1位に輝いた宮下奈都氏の小説を橋本光二郎監督(「orange オレンジ」)のメガホンで映画化する「羊と鋼の森」に山崎賢人が主演し、日本映画界を代表する名優・三浦友和と初共演を果たすことが明らかになった。
本屋大賞第1位、「2016年キノベス!」第1位、「2015年ブランチブックアワード」大賞と3冠を達成した原作は、初版6500部と少部数だったが、数々の受賞を経て現在では累計発行部数50万部を突破している。北海道で暮らす主人公の外村直樹は、高校でピアノの調律師・板鳥宗一郎と出会う。板鳥の調律したピアノの音色に「森の匂い」を感じた外村は、その仕事、世界に感銘を受け、やがて板鳥のいる楽器店で働き始める。ピアノと繋がる多くの人と関わるなかで、高校生の姉妹ピアニスト、和音と由仁と知り合う……。悩み、迷い、挫折を経験しながら成長していく青年の姿を丁寧に描いていく。
外村を演じる山崎は、昨年末からピアノの調律の練習を重ねているそうで、他キャストよりも早くロケ地・北海道に入り、合宿を敢行。原作を読み「才能が必要なのか、努力が必要なのか、誰のための仕事なのか、調律師、そして人として悩み、失敗しながらも一歩一歩成長していく外村にすごく共感した」そうで、役作りを固めているという。そして、「どの職業で生きている方にも共感してもらえるものが必ずあると思います。調律、そして森とピアノの独特の表現をどう映像にしていくのかすごくわくわくしています。そして、外村直樹をとにかく一歩ずつ丁寧に生きたいと思います」と静かな闘志を燃やしている。
一方、板鳥に息吹を注ぎ込む三浦は「ひとりの高校生が調律師になりたいと思うきっかけになったピアノの一音。森の匂いのする音、景色の見える音。どう映像化し、聞かせるのか、橋本監督に一読者として期待しています」とコメントを寄せる。さらに、「我々俳優陣も原作の音色を壊さないよう、より繊細な心で臨みたいと思います」と意欲をのぞかせている。
「静かで美しいが、同時に力強いものを秘めた映画。『羊と鋼の森』は、そのような映画になってほしいと思っています」と話す橋本監督。繊細な感情表現の演出に定評があるが、「雪に包まれた北海道の地や、流麗なピアノ曲が美しいのは確かですが、それ以上に、まっすぐ、ただまっすぐひたむきに自分の仕事や人生に向かっていく人間の姿こそが何よりも美しいのだという思いが、見てくれた方々に熱く伝わってくれればと思います」と胸中を明かした。
撮影は、3月中旬まで北海道・旭川を中心に行われ、6月には夏パートも控えている。「羊と鋼の森」は、2018年に全国で公開。