韓国映画「フィッシュマンの涙」が公開 百武朋氏、特殊造形アーティストの視点で解説
2016年12月17日 16:00

[映画.com ニュース] 新薬治験の副作用で“魚人間”に変異してしまった若者の悲哀を描く韓国映画「フィッシュマンの涙」が12月17日、全国8スクリーンで封切り。東京・シネマート新宿で公開記念トークイベントが行われ、美術家、ドラァグクイーン、映画批評家として活動するヴィヴィアン佐藤氏と特殊造形アーティストの百武朋氏が出席した。
就職難にあえぎ製薬会社の新薬治験に参加した結果、原因不明の副作用で、顔が魚になってしまったフリーターの若者が、メディアや国民に翻ろうされる。一方、若者の家族や恋人、人権派の弁護士、スクープを狙う新米記者らが、それぞれの思惑で、事件をもみ消そうとする製薬会社に立ち向かう。
佐藤氏は「世界的にもなかなかない、特に日本では作りにくい映画ですね。荒唐無稽な設定ですが、社会派なテーマがあり、普遍的な物語に落とし込んでいる」と分析。異形と社会の関係性という観点から、「構造的には『エレファント・マン』に近い。異形の存在によって、周りの人間がどんどん変化していく。主人公が持ち上げられたり、非難されたりする姿は、現在の朴槿恵大統領に似ている」と指摘した。
一方、自作のフィッシュマスクをかぶり登壇した百武氏は「造形の面白さに加えて、見終った後に、魚人間が何を象徴しているのか考えさせられた。魚になりきっていないというのも印象的」。現在公開中の「ミュージアム」(大友啓史監督)に登場するカエル男をはじめ、数々の作品で造形デザインを手がけており「一番大切なのは、監督や脚本家の意図。僕は巫女さんのように(意図を)憑依させて、キャラクターの性格や生活を考えながら、デザインを完成させる」と語っていた。
「フィッシュマンの涙」は第66回カンヌ映画祭短編部門パルムドール受賞作「セーフ(原題)」の脚本を手がけたクォン・オグァン監督の長編デビュー作。「オアシス」「ポエトリー アグネスの詩」で知られる名匠イ・チャンドンが製作総指揮を務める。公開中。
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