劇場版「モンスト」プロデューサー、「君の名は。」ブームに刺激
2016年12月6日 12:00

[映画.com ニュース] 人気ゲームアプリ「モンスターストライク」(モンスト)の劇場版長編アニメ「モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ」のトークショー付き試写会が12月5日、都内で開催され、脚本を手がけた岸本卓と平澤直プロデューサーが、アニメ・特撮研究家の氷川竜介氏を交えて作品の魅力や舞台裏を語った。
全世界累計利用者数3500万人以上を誇るアプリ「モンスト」は、2015年10月にYouTubeでアニメ版が配信開始。16年12月3日に最終話の第51話が配信された。劇場版では、主人公・焔レンや仲間たちの幼少期が明かされる。
「ハイキュー!!」「僕だけがいない街」など人気アニメを多数手がける岸本は、「トークショーなんて生まれて初めて」と緊張気味。平澤からオファーを受けた当時は「ガラケーだから(アプリ『モンスト』に)触れたこともなかった」とぶっちゃけ、会場の笑いを誘った。テレビアニメを中心に活躍しているため「(CMを挟む)テレビアニメはAパートやBパートとわけられるのですが、映画では緊張感の持続が難しかった」と振り返った。
本作では、YouTube版の4年前にさかのぼり、小学生時代のレンたちに起こった冒険を描いている。岸本は「元々、日常の中で冒険が始まる『グーニーズ』がすごく好き。ずっとやりたかったのですが、(本作で)これをできるじゃないかと」とオファーを引き受けた動機を語る。そして、「(江崎慎平)監督は『スタンド・バイ・ミー』をやりたいと言っていた。導入は『グーニーズ』、道行きは『スタンド・バイ・ミー』と、派手じゃないけれど実感のあるものにしたいと思って作っていた」と青春冒険映画の傑作2編が“教科書”だったと明かした。
平澤は、アニメ化に際しYouTubeという形態を選んだ点について「(アプリ版)『モンスト』を楽しんでいる方の多くが、YouTubeを見ていることがわかった。ゲームの合間に見てほしい、友だちに勧めたらすぐ見られるようにということで、(1話)7分というのはちょうどいいかな」という思惑があったと解説。「君の名は。」や「映画 聲の形」のヒットに触れ、「2016年はアニメ映画において記念すべき年。これまで“アニメを見てくれるかな?”と思った方々も見てくれて、基本がしっかりした作品は多くの人に届くんだと証明された。この波に乗れれば」と意欲をみなぎらせた。進行役を務めた氷川氏は、アドベンチャー、バトル、ドラマといったさまざまな要素が詰まった本作を「アニメの楽しさ全部入り」と称賛した。
「モンスターストライク THE MOVIE」は、12月10日から全国公開。
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