山内ケンジ監督、自身の戯曲初映画化作品を自虐アピール「つまらなくても90分で終わる」
2016年10月29日 19:35

[映画.com ニュース] ソフトバンクの「白戸家」シリーズなどを手掛けるCMディレクターで劇作家の山内ケンジ氏の映画監督第3作「At the terrace テラスにて」が10月29日、第29回東京国際映画祭の「日本映画スプラッシュ」部門でお披露目された。
昨年の第2作「友だちのパパが好き」も同部門に選出された山内監督。今回は初めて岸田國士戯曲賞を受賞した自身の戯曲「トロワグロ」を舞台と同じキャストで映画化し、「今まで舞台は随分やっているけれど、1本もそのまま映画にできるものがなかった。『トロワグロ』は、90分のシチュエーションドラマでリアリティがある話なのでいけると思った」と話した。
タイトルの変更については、「分かりやすくしただけ」とシンプルな理由。その通り、ホームパーティのテラスで人間のエゴが浮き彫りになる7人の会話劇で、「場所はひとつでほとんどしゃべくりまくっているので、映画好きの方は舞台みたいじゃんと思うはず。でも、面白くなっています。面白くなくても、90分で終わりますので」と自虐交じりにアピールした。
石橋けい、平岩紙、古屋隆太ら出演者も舞台挨拶。25日のオープニングは全員が舞台の衣装でレッドカーペットを歩いたそうで、石橋は「思い入れのある衣装だったので、見ている人は分からなかったかもしれないけれど、私たちは楽しみました」と満足げに振り返った。
平岩は舞台との違いについて、「演技としては舞台そのままだった。1年ぶりに皆が集まって同じセリフのやり取りをして、そこに音響や照明さんなどの新しい仲間が増えた感じでした」とうれしそう。一方、諸岡広明は「映画が決まった時、多分僕の役は柄本時生くんあたりになるんじゃないかと思っていた」、岩谷健司も「僕も吉田綱太郎に変わるんじゃないかと」と安どの表情を浮かべていた。
「At the terrace テラスにて」は11月5日から東京・新宿武蔵野館でレイトショー公開。第29回東京国際映画祭は11月3日まで開催。
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