ファン歴14年、アリシア・ビカンダーが熱弁する「ジェイソン・ボーン」シリーズ愛!
2016年10月6日 08:00
[映画.com ニュース] マット・デイモンが記憶喪失となった暗殺者に扮した人気シリーズの最新作「ジェイソン・ボーン」で、CIAの天才ハッカー、ヘザー・リーを演じたオスカー女優のアリシア・ビカンダーが初来日し、シリーズの魅力を語った。
デイモン主演としては約9年ぶりの新作となる本作は、第3作「ボーン・アルティメイタム」後のストーリーが展開。これまで言及されなかったジェイソン・ボーン(デイモン)の過去が明かされると共に、ボーンが再び巨大な陰謀に巻き込まれていくさまが描かれる。
その後のアクション映画に多大な影響を与えた第1作「ボーン・アイデンティティー」から早14年。「ボーン」シリーズを見て育ったというビカンダーは「14歳くらいのときに、父が『ボーン・アイデンティティー』を見てすごく気に入り、私にも見せてくれたの」と振り返る。「みんなそのころまでは『スパイ映画とはこうだ』という固定概念があったと思う。でも『ボーン』は、新しいスパイ映画を作り上げていたわ」。
父の影響で「ボーン」シリーズに触れたビカンダーは、やがてルームメイトと毎週のように3部作のDVDを見返す筋金入りのファンに成長した。シリーズならではの魅力を聞くと「ボーンはアクションヒーローだけれど共感できるし、私たちの生活している世界に実際に存在していると感じられるようなキャラクター。イケてるガジェットやマティーニを片手に持った人間じゃなく、スパイ映画独特の女性とのやり取りもないし、自分のアイデンティティを模索している男であることがとても人間的に感じられたの。加えて、撮り方や編集の仕方がドキュメンタリーっぽくて、ザラザラ感があった。アクションもすごく緊張感があったわよね。同時代性を感じさせるのも魅力なんじゃないかな」と熱弁。次々に言葉が出てくる様子からは、あふれんばかりのシリーズ愛が伝わってくる。
本作でビカンダーが演じるヘザーは、CIAの前に突如姿を現したボーンを追跡するという重要な役どころ。若くして重要なポストを任された逸材であり、上昇志向の強い知性派キャラクターだ。ビカンダー自身は「私はスマホオタクで、小さいときはテレビゲームも大好きだった。だからテクノロジーは好きよ。得意じゃないけど(笑)」と語りつつ、役と絡めて本作の特徴に“テクノロジーの進化”を挙げる。
「ここ10年の中で、テクノロジーの進化は大きな要素。もちろん『ボーン』の世界においてもね。テクノロジーは今や、私たちのコミュニケーションや日常生活の一部になってしまっている。それは映画でも感じられると思うわ。本作で(ヘザーが)ボーンを追跡できるのもテクノロジーだし、コンピュータがここまで進化したことで、人の行動を予測できるようになった。役作りの一環で、ヘザーと同じような技術を持つ人たちと会えたときには『ここまでできるんだ……』ってちょっと怖いくらい圧倒されたわ」。“同時代性”を追求する「ボーン」シリーズだけに、ボーンを追うCIAの技術もまた最先端のものにアップデートされている。技術革新を象徴する人物であり、インターネット時代の申し子・ヘザーを演じたビカンダーならではの見方といえるだろう。
日本においては、今年は「リリーのすべて」「二ツ星の料理人」「エクス・マキナ」「ジェイソン・ボーン」と出演作が4本も公開するまさにアリシア・ビカンダー・イヤー。作品ごとに違った表情を見せるビカンダーの人気は高まるばかりだ。そのことを伝えると、ビカンダーは「Oh」と顔を赤らめ「(初来日まで28年かかったから)再来日するまでに28年もかからないことを願っているわ。(主役に抜てきされたリブート版)『トゥームレイダー』があるから、そのときも日本に来たい。父もすごく来たがっていたから、次こそ連れてきたいな」とほほ笑んだ。
「ジェイソン・ボーン」は、10月7日から全国公開。
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