“ハドソン川の奇跡”はいかにして起きたのか?日本人搭乗客が事件直後の様子を明かす
2016年9月21日 17:00

[映画.com ニュース] 2009年1月15日、米ニューヨークのハドソン川に航空機が不時着水した実話を元にした映画「ハドソン川の奇跡」の試写会が9月20日、都内で開催された。実際に同機に搭乗していた関係者と家族らがトークゲストとして招待され、当時の様子について明かした。
クリント・イーストウッド監督が、トム・ハンクスを主演に迎えて製作したヒューマンドラマ。ハドソン川への緊急不時着水を決断し、乗客155人全員の命を救ったサリー機長(ハンクス)だったが、その後の事故調査では一転、容疑者扱いされてしまう。綿密な取材により、当時“何が起こっていたか”を暴き出す内容となっている。
この日、上映前のゲストで登壇したのは実際の搭乗者の1人である出口適氏、同じく搭乗者・滝川裕己氏の妻の真以氏、息子の晃弘氏、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏の4人。出口氏は当時「後ろから2~3列目の席の通路側にいたけど、何が起きているのか把握していなかった。窓の景色を見てマンハッタンが低くて『何かおかしい』と思った」という。不時着水の瞬間は「ものすごくスムーズだった」そうだが、「すぐに川の水が膝下まで入ってきて焦った。羽根の上の非常口に至るまでが長く感じました」と述懐。当時から事故と事件の両面で捜査は進んでいたようで、出口氏も「警官が1人ひとりに付いて、事情聴取された」と明かした。映画については「(フィクションとして)作った部分がない! その場にいたような雰囲気を感じたし、正直、忘れかけていた心理的なストレスを感じたほど。忠実に再現されています」と当事者の視点からその精密さに称賛を送っていた。
鳥海氏は、改めて事件当時のサリー機長の判断を「プロ中のプロ」と称える。一方でいくつもの条件が“奇跡”のために良い方向に影響したとも分析。「当時は気温が高くて川が凍っていなかった。川幅も1キロあり、橋と橋の間隔も長い。船がなかったのも幸いだし、都市部ですぐに救出に向かうことができたのもよかった」と解説。その上で「水面不時着ってかなり難しいんです。ちょっとでも機体が傾くと火を噴いて損傷する」と語り、サリー機長の技術の高さを称賛した。
真以氏は、事故発生当時は勤務中で「主人は他の人の携帯で電話してきたけれど、事故があったと知らずに仕事中でしたから無視しました(笑)。会社からの電話で事故と無事を知り、テレビを見てびっくりしました」と当時を回想していた。
「ハドソン川の奇跡」は、9月24日から全国公開。
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