立川志らく、熱く“寅さん愛”を語る「1回もうまくいっていないのに恋愛の達人」
2016年9月1日 21:30

[映画.com ニュース] 落語家で映画評論家としても活躍する立川志らくが9月1日、「俳優渥美清 没後20年を迎えて」と題したトークショーを東京・渋谷のHMV&BOOKS TOKYOで行った。
志らくは若い頃は洋画志向で、邦画も“フランキー堺さん派”だったという。だが、師匠の立川談志が渥美さんと親交があり、「周りに敬愛する人があまりに多かった」という理由で、代表作の「男はつらいよ」シリーズを見始めたという。すると全48作を3回ずつ一気に見るほどはまり、「何年かしたら、寅さん博士と呼ばれるようになった」と胸を張った。
その魅力については、「日本最高の名優は志村喬さんだと思っていて、技巧派で役によって全くの別人になれる。渥美さんは何をやっても渥美さんなんだけれど、全部うまい。そんな役者は他を探してもいないほど奥が深い」と独自の理論を展開。さらに、「死んで20年たってもこうやって語られるのは渥美さんくらい。寅さんが旅に出ているくらいのイメージで、倍賞千恵子さんも佐藤蛾次郎さんも、死んだと思っていないと今でも言っている」と説明した。
「男はつらいよ」シリーズでは、第15作「寅次郎相合い傘」(1975)の浅丘ルリ子との相合傘のシーン、第32作「口笛を吹く寅次郎」(83)の竹下景子との別れのシーンを絶賛。「リリー(浅丘)とは愛し合っているのが分かるシーンで、日本人なら痛いほど気持ちが分かる。竹下さんとは一番結婚に近づいた作品で、心から一緒になってほしかったと思えた切なすぎるシーン」と解説した。
その上で、「第30作を過ぎると、寅さんが恋愛の達人になって他の人に指南するようになる。ふられ続けて1回もうまくいっていないのに、そこがすごい」と感心しきり。ほかに「拝啓天皇陛下様」(63)、「キネマの天地」(86)などの映像を見せながら渥美さん愛を熱っぽく語り「『男はつらいよ』に出ていなかったら、いろんな芝居をやって違った形で日本を代表する役者になっていたはず。でも、寅さんを残してくれたことがやっぱり大きい」とその功績を称えていた。
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