自転車に乗れない中西美帆、新鋭・坂下監督の無茶ぶりに「なんて鬼なの!」
2016年8月7日 18:00
[映画.com ニュース] 大学の修了作品「神奈川芸術大学映像学科研究室」が注目を集めた新鋭・坂下雄一郎監督の商業デビュー作「東京ウィンドオーケストラ」が8月7日、東京・新宿シネマカリテで先行プレミア上映され、坂下監督をはじめ、初主演を飾った中西美帆らキャスト陣が舞台挨拶に立った。
沖田修一監督作「滝を見にいく」、橋口亮輔監督作「恋人たち」に続く、「作家主義」「俳優発掘」を掲げる松竹ブロードキャスティングによるオリジナル映画プロジェクト第3弾。アマチュア吹奏楽団が有名オーケストラと間違えられて屋久島に招待され、本物のふりをする羽目になったことから巻き起こる騒動をコミカルに描いた。
オール屋久島ロケが敢行されており、中西は「雨が多いんですが、東京の雨とは違う。雨が降れば降るほど浄化されていく感覚が、すごく新鮮でした」と充実の面持ち。撮影当時は「役者として悩んでいた時期」だったといい、「今まではお嬢さんの役が多く、今回のように一度も笑わない役は初めてでした。普段は笑い上戸なので、笑わないストレスはありましたが、振り返ってみると、自分にとってターニングポイントになる作品だと思っています」と明かした。
さらに中西は、自転車に乗れないそうで、「劇中で2回くらい自転車に乗るシーンがあり、監督に『大丈夫でしょうか?』と聞いたら、『ゆっくりだから大丈夫です』と。でも、いざそのシーンの撮影になったら『全速力でこいでください』と言われた」と暴露。坂下監督の無茶ぶりに「なんて鬼なの! と思った」と苦笑を浮かべ、「ブレーキのかけ方がわからなくて、足で止めていました」と照れくさそうに話していた。
一方で、映画の初お披露目を終えた坂下監督は、客席を埋め尽くした観客に向け「とても緊張しています。こっち(登壇陣)の人数のほうが多かったら、どうしようかと……」と吐露。現場ではほとんど笑わなかったそうで、「OK」がかかった後、キャスト陣が不安にかられたという。坂下監督は「『今のOKと言っちゃったけど、本当にOKなのか?』と不安になる表情が多かったかも」と語ったが、「冗談です。心のなかで全部OKだと思っていますが、あんまり表情に出ないので」とフォローしていた。
この日は、共演の松木大輔、星野恵亮、水野小論、川瀬絵梨、遠藤隆太、及川莉乃、青柳信孝、嘉瀬興一郎、松本行央、武田祐一も登壇した。「東京ウィンドオーケストラ」は、2017年1月から東京・新宿武蔵野館ほか全国順次公開。