「アベンジャーズ」にも出演 鬼才スコリモフスキがメジャー作品に俳優として参加する理由は?
2016年7月6日 14:00

[映画.com ニュース]ポーランドの鬼才、イエジー・スコリモフスキ監督が1978年にカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞したカルト作品「ザ・シャウト さまよえる幻響」の上映イベントが7月5日都内で開催され、来日したスコリモフスキ監督が音楽家で文筆家の中原昌也氏とトークを行った。
スコリモフスキ監督は、カンヌ、ベルリン、ベネチアと世界三大映画祭で受賞歴があるポーランドの前衛映画の巨匠だが、「マーズ・アタック!」「イースタン・プロミス」などメジャー作品に俳優として参加、近年では「アベンジャーズ」にも出演している。その理由を問われると「前衛映画の監督であること、商業映画の俳優であることが一致する第1の理由は楽しいから。そして2番目が生活のためです。1週間自分の映画を撮影するよりも、『アベンジャーズ』に出演する方が多くのお金を稼げるのです。いただくギャラはプロの俳優と同じです」と明かした。
最新作「イレブン・ミニッツ」の8月の日本公開を記念し、この日上映された「ザ・シャウト さまよえる幻響」は、叫び声で人を殺すことのできる男に人生を狂わされていく夫婦の運命を、現実と幻想を織りまぜた特異な構成で描いたカルト映画。「1978年の映画で、初めてドルビー音響の映画が作られた年です。カンヌで上映した際にはドルビーステレオ再生用の機器を運び込みました。なぜグランプリを獲ることができたのかというと、審査員たちの耳が聞こえなくなるほどの大きな音を出したからだと意地悪な批評家に言われました」と当時を振り返った。
そのほか、当初デビッド・ボウイさんに音楽を依頼し、ボウイさんが試写で眠ってしまったためかなわなかったこと、「人間の運命の皮肉を表す画家」として、フランシス・ベーコンの絵画を引用したこと、23秒間大声で叫び続けられる人物が見つからなかったため、監督自身が叫び声を担当し、大声のあまり警官が駆け付けたことなど、当時の貴重なエピソードを披露した。
「ザ・シャウト」も、大都会に暮らす人々の11分間のドラマをモザイク状に構成した新作「イレブン・ミニッツ」も予想できないラストシーンが特徴だ。「観客は思いがけない終わりを期待しているので、緊張を高めることは、当然だと思います。そういう意味で、『イレブン・ミニッツ』は最も成功した映画だと思います」と最新作の出来栄えに自信を見せた。
「イレブン・ミニッツ」 は、8月20日ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
映画ラストマン FIRST LOVE
「ドラマの映画化か~」と何気なくつぶやいたら後輩から激ギレされた話「これ超面白いですから!!」
提供:松竹
BS12 年またぎ映画祭2025
【全部無料の神企画】筋肉・秒殺・脱獄・名作でストレス即・爆・散!! 1年の疲れを吹き飛ばそう!
提供:BS12
“愛と性”を語ることは“生きる”を語ること
【今年最後に観るべき邦画】なじみの娼婦、偶然出会った女子大生との情事。乾いた日常に強烈な一滴を。
提供:ハピネットファントム・スタジオ
アバター ファイヤー・アンド・アッシュ
【シリーズ完全初見で最新作を観たら…】「こんなに面白かったのか!!」「歴史を変える傑作」「号泣」
提供:ディズニー
「ズートピア2」「アバターF&A」「楓」など超注目作を“500円”で観る!
【知らないとめっっっっっっっちゃ損!】絶対に読んでから観に行って!!!!!
提供:KDDI
今年最大級に切なく、驚き、涙が流れた――
双子の弟が亡くなった。僕は、弟の恋人のために“弟のフリ”をした。
提供:アスミック・エース
ズートピア2
【最速レビュー】「前作こえた面白さ」「ご褒美みたいな映画」「最高の続編」「全員みて」
提供:ディズニー