若手注目株・上原実矩、唯一無二への地道な歩み
2016年5月5日 17:00

[映画.com ニュース] 「映画 暗殺教室」シリーズ、「ガールズ・ステップ」に出演した注目の若手女優・上原実矩が、映画.comのインタビューに応じた。現在17歳、現役高校生らしいキュートな素顔と、女優としてのこれまでの歩み、展望を語った。
趣味は映画鑑賞や読書で、高校生活と女優業を両立するなか、何事も糧にしようとするまっすぐな姿勢を見せる上原。両親の後押しを受け小学生のころに芸能界入りし、「仕事は、気がついたら自分の一部としてあった感覚です」と述懐する。2010年に「君に届け」で銀幕デビューを果たし、中学2年生時に出演したTBSドラマ「放課後グルーヴ」が、本気で芝居に打ち込むきっかけとなった。感情を素直に発露する鴨志田映見役に扮した経験から「まだまだ新人ですが、俳優としてこのお仕事をずっとしていきたいと意識するようになりました」。
近年は人気漫画を実写化した映画「暗殺教室」シリーズで真面目な理系女子・奥田愛美、川村泰祐監督作「ガールズ・ステップ」で不良女子・貴島美香という真逆の役どころを演じ分けた。自身のパーソナリティーにより近いのは愛美役だそうで、「不良の美香ちゃん役でオーディションに合格したと聞いた時は、『どうしよう』と思いました(笑)」と振り返る。「川村監督の要望は、1970~80年代のバリバリの不良のイメージだったのですが、いつも周りの友人を役の参考にすることが多いなか、そのような女の子がいなくてすごく悩みました」。
役作りの不安に光明をもたらしたのは、一蓮托生の関係性を演じた石井杏奈、小芝風花、小野花梨、秋月三佳と過ごした時間だった。撮影は長期間にわたり寝食をともにする合宿形式で行われており、その中で構築されていった5人のチームワークと空気感により、上原の体に不良・美香が刷り込まれていった。深い絆でつながった5人の交流は、今も続いている。「プライベートでも遊びに行っています。ごはんを食べているだけなんですけど(笑)。昨年は『E-girls』でもある石井杏奈ちゃんのライブに、みんなで行きました」。

現在はモデル業にも挑戦するなど、女子高生、女優とあわせ、いわば“三足のわらじ”をはいている。「(撮影中)カメラの前で笑っていても、心のなかでいろんな感情がわき上がってくることがありました。その経験を、俳優の仕事にも反映させていければいいなと思います」と意欲十分。「モデルは女の子のあこがれに一番触れられる職業ですよね。洋服を並べて『どれを着る?』とやるのも楽しかったです。自分ではなかなかできないお化粧、髪型や、この格好で外を歩いていたら流石におかしい! と思うものも、全部出来ちゃうわけで、変身できるのが楽しいです」。
上原にとって女優やモデルという表現の道は、「自分が本気で打ち込めること」なのだという。「奥が深くて、いろんな人に出会えて、たくさん刺激をもらえます。女優への思いは、自分のなかで進化し続けると思っています。たまにくじけそうになる時はありますが、やめたくはありません。そういう部分で、運命的なものがあります」と、この日一番の力強い思いを口にした。
これからの展望を聞くと、「極端に違う役をやらせていただき、自分がここまで変化できるということが、想像できるようになって、もっとその役に深く入っていけるような、挑戦や変化を求めていきたいです」と貪欲で、「課題をひとつずつクリアした先に、上原実矩という唯一無二の存在になれればと思います」と目を輝かせながら答えた。地道な歩みこそが、扉を開く。スポットライトを浴びながら千里の道を行く上原から、目が離せない。
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