レイチェル・マクアダムス、「スポットライト」の成功に「私の予想は最高の形で間違っていた(笑)」
2016年4月19日 12:00

[映画.com ニュース] 第88回アカデミー賞で作品賞と脚本賞をダブル受賞した「スポットライト 世紀のスクープ」(公開中)で、自身初のオスカー候補となったレイチェル・マクアダムスが初来日を果たし、映画.comのインタビューに応じた。
映画は、米ボストン・グローブ紙の記者たちを主人公に、2002年1月に米国を震かんさせたカトリック協会の大スキャンダルの舞台裏を描く。特集記事欄“スポットライト”を手がける記者チームが、米国で長年にわたり数10人もの神父が児童に性的虐待をはたらき、それをカトリック教会が組織ぐるみで隠ぺいしてきたという事実を報じるべく、関係者への取材や調査に奔走する。マクアダムスは、“スポットライト”チームの最年少で、“生存者”(事件の被害者)へのインタビューを担当した女性記者・サーシャに扮している。
これまで「きみに読む物語」(04)、「アバウト・タイム 愛おしい時間について」(13)などに出演し、ジェイク・ギレンホールがボクサー役に挑戦した「サウスポー」(6月3日公開)、ベネディクト・カンバーバッチ主演のマーベル映画「ドクター・ストレンジ」(12月10日公開)といった話題作が控えるマクアダムスは、作品選びを「頭から離れなくなった企画を選んでいるわ」と語る。本作は「ストーリーね。自分では理解しているつもりだったけれど、(自分が)事件の全ぼうを知らなかった(とわかった)。それに、(トム・マッカーシー)監督に『引き受けてくれるのなら明日から(役の本人である)サーシャさんに会えるよ』と言われた。それって役者にとっては夢のような環境なの! とてもじゃないけどパスする気にはなれなかったわ」と振り返る。
「サーシャ(本人)に直接質問をぶつけられて、得たものを作品に反映することができたから、役作りがすごく楽だったの」と恵まれた環境への感謝を述べたマクアダムスだったが、一方ではヘビーな内容から「この作品を(観客に)見てもらえないんじゃないか」と不安もあったという。だが、ふたを開けてみればアカデミー賞をはじめ、本作は各映画賞で200を超す受賞&ノミネート数をたたき出し、絶賛を浴びた。「私の予想は、最高の形で間違っていたわね(笑)。私の周りでも、見る前は『題材が重いんじゃないの?』と不安を口にした人たちが、『今まで見たどの映画よりもインスピレーションを与えられた』と言ってくれたのよ。調査報道の過程を淡々と追っていく(本作を)皆さんが楽しんでくれる。観客の“知性”をうれしく思ったわ」とほほ笑んだ。
マクアダムスは、本作の成功にはマッカーシー監督の手腕と、マーク・ラファロ、マイケル・キートン、リーブ・シュレイバーといった共演者たちの存在が大きいと語る。「監督は、児童に対する虐待のディテールを生々しく描いてはいない。事件を記者の視点から追い、彼らがどういうことをやったのかに重きが置かれている。(物語が)すっと入ってくる作りになっているのよ」「(キャスト)全員がとにかく自然体だった。マイケルがどうってことないセリフを言うだけでワクワクしてしまうし、傑出した役者ばかりだから、私がそれに(力を)足せてないんじゃないかとドキドキすることだってあったのよ(笑)」。
「俳優と記者は似ているところがある。俳優も、演じている人物や彼らが持つ真実になるべく近づこうと(記者のように)色々なことを調査していくのよ」と述べたマクアダムスは「正しいもののために立ち上がるというのは、皆の協力があって初めて力を持つもの。こういった虐待は、世界中でも私たちの周りでも常に起きている。ある国の、この時代に起きた事件(で終わる問題)ではないの」と呼びかけた。
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