ジェシー・アイゼンバーグが明かす、悪役レックス・ルーサーの魅力
2016年4月2日 08:00
[映画.com ニュース] DCコミックスの象徴的な悪役のひとりであるレックス・ルーサーが、ザック・スナイダー監督作「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」(公開中)に登場する。ヒーローたちの宿敵ルーサーを演じたジェシー・アイゼンバーグが、米ロサンゼルスのワーナー・ブラザーススタジオで映画.comの取材に応じた。
高校時代から演劇を始めたアイゼンバーグは、第83回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた「ソーシャル・ネットワーク」(2010)で一気に知名度を上げ、「グランド・イリュージョン」(13)は日本でも大ヒット。オタク少年から大胆不敵なイリュージョニストまで演じ分ける若手実力派が、今作では狂気に満ちた億万長者に扮している。
今作は、スナイダー監督作「マン・オブ・スティール」(13)の続編、そしてDCコミックスのヒーローたちが世界観を共有する「DCフィルムズ・ユニバース」の第1作として製作された。記念すべき作品の悪役に抜てきされたことを「とても光栄だった」と語る。
「ルーサーは(スーパーマンの世界である)メトロポリスで強大な力を持っているんだ。街で1番大きな会社を経営していて、街の顔でもある。表向きには政治家とも交流がある慈善家だけど、私生活では常に怒り狂っていて、残忍で、精神を病んでいて、それを隠しているんだ。とても感じの良い面と、心底怒っている面の両方を同時に演じられるすごく面白いキャラクターだったよ」
ルーサーは原作ではアイゼンバーグより年上の設定で、これまでジーン・ハックマンやケビン・スペイシーらが演じてきた。アイゼンバーグ版は「より闇に迫り、現実味があり、これまでの映画とはトーンが違う」という。「非常に現代的なキャラクターで、誇大妄想に苦しむナルシストで、怒った若者のリアルな生き写しのよう」で、誰もが認める悪役にもかかわらず、どこか寂しさを感じさせるキャラクターだ。「観客に彼を嫌いにさせないことが僕にとってのゴールなんだ。彼は単に悪い人なだけではなくて、悲しい人でもあるからね。そう感じてくれると嬉しいな」
一方で、DCコミックスの2大ヒーローであるバットマン(ベン・アフレック)とスーパーマン(ヘンリー・カビル)には「思う存分意地悪したよ」といたずらっぽく笑う。ルーサーを法律で正そうとするフィンチ議員を演じた女優ホリー・ハンターとの対決では「小柄な女性だから、突き飛ばしでもしたら本当にひどい奴に見えてしまう」と思ったと言うが、アフレックとカビルに関しては「2人は大男で、僕がパンチしたところで実際はびくともしないよ! だから叩いたり、からかったりしても傷つけているなんて思わずに済んだんだ」と存分に満喫した様子だ。
また、今作にアイゼンバーグの秘書として出演した日本人モデルで女優のTAOについて、「素晴らしかった。彼女は稀有なユーモアのセンスの持ち主で、役を真剣に捉えて作品を大切にしていたよ」と大絶賛。「彼女は僕が知っている最も背が高い女性だよ。アシスタント役なのに僕を上から見下ろしたりしていたんだから、美的感覚で言えば立場を逆にするべきだったかも。おかしなコンビだったよね(笑)」
自らの出演作は「絶対に見ない」主義だというアイゼンバーグ。「だめな部分ばかりが見えてしまって、心地悪いんだ。すごく変な気分だよ」と生来の繊細さをのぞかせる。それでもルーサー役は魅力的で大変気に入っていると話し、DCコミックスのヒーローチーム“ジャスティス・リーグ”が結成される「ジャスティス・リーグ パート1(原題)」(17)にも「ぜひ参加したい」と意欲は尽きない。「永遠にルーサーを演じ続けたいよ。チャーミングで、最悪で、意地悪な彼の多様な性格すべてを演じたいんだ」