坂本龍一による壮大な劇中音楽が鳴り響く「レヴェナント」特別予告公開
2016年4月1日 18:00
[映画.com ニュース] 坂本龍一が音楽を手がけた「レヴェナント 蘇えりし者」の劇中音楽に焦点を当てた予告編が、このほど公開された。坂本のコメント映像も収められている。
19世紀、アメリカ西部の未開拓地が舞台。狩猟中に熊に襲われ、ひん死の重傷を負ったハンターのヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)が、愛する息子の命を奪った隊のメンバー、ジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)への復しゅうを果たそうとする。ディカプリオのほか、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督とエマニュエル・ルベツキ撮影監督がオスカーに輝いた。
坂本はイニャリトゥ監督の「バベル」(2006)にも楽曲を提供しており、映像中では「この作品には息をのむような素晴らしい映像が詰まっています。私は音楽で主人公ヒュー・グラスの壮大なドラマを表現しました。大自然の中で繰り広げられるスペクタクルをぜひ楽しんでください」と語っている。
オファーを受けた際、イニャリトゥ監督からは「『メロディよりもサウンドだ。サウンドの積み重ねが必要なのだ!』と(言っていた)。覚えやすいメロディの音楽を使う映画が多いのですが、そういうものを目指していたのではないということです」とのリクエストがあったという。映像中には楽曲の制作風景も描かれているが「まだまだ粗い編集の映像を監督と一緒に見て、実際の音を聞きながら音楽について長く話し合いました。初めて見たその時から、この映画の主人公は“自然”だと思いました」と語る。
“自然”を本作での音楽のテーマに挙げた坂本は、「ゼロ・グラビティ」(13)、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(14)、本作とアカデミー賞撮影賞を3年連続で受賞したルベツキ撮影監督の映像についても言及。「ルベツキが自然光で素晴らしい精度で撮影していますよね。そこで人間ドラマを包む大きな自然というものを音楽で描きたかったのです」と映像との親和性を重視しつつ、大自然の奥深さを感じさせるような壮大な楽曲に仕上げた。
坂本の楽曲を聞いたイニャリトゥ監督は「彼の曲には余計なものがなく、優雅で感動的だ。今回の音楽には、感動的な静寂がある。静寂という“間”が映画にとって重要な役割を果たすんだ」と手放しで称賛している。
「レヴェナント 蘇えりし者」は、4月22日から全国公開。
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