ラース・フォン・トリアー監督の愛弟子が初長編監督作「獣は月夜に夢を見る」を語る
2016年3月28日 17:00

[映画.com ニュース] 「奇跡の海」(1996)、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(2000)といったラース・フォン・トリアー監督作で美術アシスタントを務めたヨナス・アレクサンダー・アーンビーが、長編監督デビュー作「獣は月夜に夢を見る」の魅力を語った。
デンマークにある小さな漁村で、父と病気の母と3人で暮らすマリー(ソニア・ズー)は、職場の同僚に恋をするが、時を同じくして体に奇妙な異変が起こり始める。原因を探るマリーはやがて、母も関わる悲しい秘密にたどり着く。
74年生まれのアーンビー監督はミュージックビデオや短編映画、テレビCMを数多く手がけているが「以前から長編映画を作ってみたい気持ちはあった。数え切れないほどたくさんの要素が合致して、初めて実現したのが本作だったんだ。何よりも、クラシックな大人向けの映画を作りたかった」と念願の企画であることを強調する。
本作ではトリアー監督の影響もうかがえる、美しくも陰鬱な世界観を構築しており「私は、特殊な環境下で生きる若者の写実的な肖像画を描きたかった。我々は、マリーが大人の女性へと変ぼうしていく過程を目にする。自分の内側に潜む暗部にとらわれて、彼女は無邪気さを失うんだ」と独特な表現で解説。ミステリー調の作品であると同時に「最後にマリーがどこにたどり着くかを見たかった」と1人の少女の成長物語でもあるという見方を示した。
作品の肝ともいえるヒロイン役には、新人俳優のズーを抜てき。ユトランド北部の小さな島で育ったというズーの境遇や佇まいが、閉ざされた環境で懸命に生きるマリーのイメージにぴったりだったと話す。「魚のはらわたを引きずり出すことに怖気づくような、都市部の出身でカフェ・ラテを飲むことに慣れた女の子は選ばなかったんだよ。ソニアには素晴らしいカリスマ性と独特の雰囲気があったね。彼女こそがマリーだった」。
物語のカギを握るマリーの父親役には、マッツ・ミケルセン(「007 カジノ・ロワイヤル」「偽りなき者」)の兄で、人気海外ドラマ「SHERLOCK シャーロック」の悪役を演じたラース・ミケルセンを起用。新人とベテランをぶつけることで、画面に絶妙なバランスを生み出している。「ラースは、デンマークで最も優れた俳優だ。最初のシーンを撮影したとき、彼の卓越した演技に圧倒されたね。彼は仕事に驚くほど献身的に取り組むんだよ」。
「獣は月夜に夢を見る」は、4月16日から全国公開。
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