北欧ミステリー「獣は月夜に夢を見る」の新人女優、役作りのキーは日本発祥の“あの文化”
2016年3月22日 06:00

[映画.com ニュース] デンマーク発のミステリー「獣は月夜に夢を見る」で映画デビューを果たした女優ソニア・ズーが、作品に参加した思い出を語った。
「奇跡の海」(1996)、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(00)といったラース・フォン・トリアー監督作で美術アシスタントを務めた、ヨナス・アレクサンダー・アーンビーの長編監督デビュー作。海岸沿いの小さな村で、父と病気の母と暮らすマリー(ズー)は、職場の同僚に恋をするが、時を同じくして体に奇妙な異変が起こり始める。原因を探るマリーはやがて、母も関わるある悲しい秘密にたどり着く。
デンマーク出身(94年生まれ)のズーは、初出演作にして初主演を果たし、トリアー組らしいアーンビー監督によるハードなシーンにも体当たりで挑んでいるが、役作りでは「日本の“暗黒舞踏”を習ったの」と明かす。暗黒舞踏は日本発祥の前衛芸術で、舞踊家の土方巽を中心に形成された前衛舞踊の様式のひとつ。全身を真っ白に塗った姿で踊るという表現が特徴的で、海外では「ブトー(Butoh)」と呼ばれている。ズーは、暗黒舞踏を習った理由を「体への意識を高めて、自分自身のより攻撃的で動物的な性質に近づくためよ」と意味深に語っている。
ズーはまた、マッツ・ミケルセン(「007 カジノ・ロワイヤル」「偽りなき者」)の兄で、人気海外ドラマ「SHERLOCK シャーロック」のシーズン3で主人公のホームズを追いつめる強敵を演じたラース・ミケルセンと親子役を演じている。ベテラン俳優と共演したことで、女優として多くを吸収した様子で「私は撮影期間中にラース・ミケルセンを細かく観察したわ。彼の演技を見ているだけでも、とても多くを学ぶことができたのよ。彼がどれほど献身的に(演技に)取り組むかを目の当たりにして、本当に感銘を受けた。素晴らしい経験だったわ」と振り返った。
「獣は月夜に夢を見る」は、4月16日から全国公開。
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