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石倉三郎&キム・コッピ、「つむぐもの」で得た本当の“家族”

2016年3月19日 05:30

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人と人のつながりを繊細に表現した 石倉三郎とキム・コッピ
人と人のつながりを繊細に表現した 石倉三郎とキム・コッピ

[映画.com ニュース]芸歴50年を迎えた石倉三郎が初主演を飾り、韓国の実力派女優キム・コッピと共演した映画「つむぐもの」が公開された。半身麻痺の頑固な和紙職人と韓国から来たニート。交わるはずのなかった2人が優しく寄り添い紡いだものとは――。

映画は、脳卒中で半身麻痺となった職人気質で我の強い剛生(石倉)と韓国からワーキングホリデーに来た勝気なニートのヨナ(キム・コッピ)が、ぶつかり合いながらも、介護や伝統工芸を通じて“家族”になっていく姿を描き出す。

初共演を果たした石倉とキムは、仲の良い親子のようにしばしばほほ笑み会う。2週間という短い撮影期間にも関わらず、2人が築き上げた絆は強靭(きょうじん)だ。落ち着いたしゃべり口の石倉が、キムについて語るときは語気を強め「彼女の存在感は圧倒的。すごい子だなと思った。この映画で彼女と共演できたことはものすごい喜び」と大絶賛する。キムも、「石倉さんの演技を見てとても感動した。剛生の気力がどんどんなくなっていく姿も、背中で悲しみを見事に演じてくださった」と最敬礼だ。

「身近で老老介護の悲劇を見てきた」と言う石倉は、劇中で描かれる介護シーンを「ものすごい臨場感」と思わず目を伏せた。「他人事じゃないし、難しいよ。だからこそ本当に見てもらいたい」。キムも、自らの祖母が施設に入所した際に「頻繁に会いに行くことができなかった」と後悔の念をにじませ、「今回の撮影が高齢者の問題や、施設にいらっしゃる高齢者の方に対して深く考える機会になりました」と前を向いた。

画像2(C)2016「つむぐもの」製作委員会

大学を卒業後、夢も意欲もなく実家で生活するヨナの前に突然現れた剛生という“家族”。「最初の剛生との仲はあくまでも他人で、仲が悪くて、徐々に親しくなっていく。そういう経験はヨナにとって初めてだったと思います。実の家族でも一概に深く触れ合うとは限らないですから」「ヨナは剛生に出会って、剛生の仕事に対する使命感や、死ぬまで仕事を大切にしている姿を見て感銘を受けたのでしょう。こういう人がいるという事を知って、剛生のことを尊敬できたんだと思います」。ヨナの成長と、剛生と本当の家族になっていった過程を愛しそうに話すキムの言葉に石倉は、言葉少なに大きくうなずきながら聞き入る。

そんな石倉にとって、今作は初の主演映画。喜びもひとしおかと思われたが、本人はあくまで冷静だ。「普通の仕事だと思っています。主役というのはあまり関係ない。良い仕事ができたなという気持ちです」と真摯に語る姿は、役柄と同じく“職人”だ。「(俳優を)長いことやっていて、この役を待っていて良かった。世間は見てくれていたのかなと思います」と照れくさそうにほほ笑んだ。

一方、「息もできない」(2008)、「クソすばらしいこの世界」(13)、「ある優しき殺人者の記録」(14)など、過激な描写が含まれる作品で、辛らつな物言いをする役柄を多数演じてきたキム。今後は「明るい役もやってみたい」と笑顔を弾けさせるが、まだまだシリアスな役柄にも魅力を感じている。「私自身はすごく明るい性格なので、普段見せない(暗い)姿を見せたい。人の性格っていろいろありますが、そのすべての面を皆さんが持っていると思うんです。そのなかから私がまだ見せていないものを、演技を通して引き出してお見せできるのは楽しいです」。

取材が終わると石倉は「カムサハムニダ」、キムは「ありがとうございました」と挨拶し、顔を見合わせて笑い出す。一歩ずつ互いに歩み寄った剛生とヨナに対する2人の愛情が垣間見えた。

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