“眠り病”の青年描くアピチャッポン・ウィーラセタクン最新作「光りの墓」予告編
2016年1月15日 19:30
[映画.com ニュース]タイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の最新作「光りの墓」の予告編とポスタービジュアルが公開された。
舞台はタイ東北部の町コーンケン。かつて学校だった病院を訪れた女性ジェンは、面会者のいない“眠り病”の青年の世話をし、眠る男たちの魂と交信する特殊な力を持つ若い女性ケンと知り合う。そして、病院のある場所が、はるか昔に王様の墓だったと知り、眠り病に関係があると気づく。そして青年はやがて目を覚ます……という物語だ。過去作品にも共通するモチーフとともに、近年のタイにおける政治状況に対する思いをユーモアと優しい語り口で描き出している。
ポスターは登場人物の女性ジェンの姿に蔦や花や恐竜がコラージュされた、海外版オリジナルと同じデザインで「わたしは もう目を覚ましたいの。僕は 眠っていたい。」とのコピーが添えられている。予告編では、食事中に突然突っ伏す男のシーンから始まり、男たちが眠る静かな病室、そこで青年の世話をする女性と、眠る男たちと交信する若い女性の姿が映しだされ、やがて韓国のDJ、Soulscapeの「Love is a Song」をバックに、すでに死んでいると告白する女性たちも登場する。
本作公開に先駆け、幻の傑作といわれる「世紀の光」(06)が日本初劇場公開されたほか、旧作とアートプログラムを組み合わせた特集上映も開催中だ。「光りの墓」は3月シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。