ファスビンダー幻のSF映画「あやつり糸の世界」3月劇場公開決定!
2015年12月4日 17:00
[映画.com ニュース]ニュージャーマンシネマの鬼才ライナー・ベルナー・ファスビンダー監督が1973年に発表し、幻の作品といわれるSF映画「あやつり糸の世界」が、2016年3月に東京・ユーロスペースで公開される。日本ではこれまで特集上映で限定的に上映されたが、劇場公開は初となる。
鋭敏な時代感覚と普遍的な主題で社会を挑発し続けたファスビンダーが、ダニエル・F・ガロイの小説「模造世界」を原作に、「マトリックス」「インセプション」に先駆ける、バーチャルリアリティによる多層世界をつむぎ出す。鏡を多用した画面設計とあふれる電子音を用い、愛と孤独のドラマを描き出している。ジャン=リュック・ゴダールの異色SF「アルファヴィル」の主役を演じたエディ・コンスタンティーヌが特別出演している。
未来研究所では、仮想世界を作り出し未来社会を厳密に予測できる「シミュラクロン」の開発が進められていた。ある日、研究主任のフォルマー教授が謎の死を遂げ、シュティラー博士が後任に就く。やがてシュティラーは研究所で奇妙な事態に遭遇する。保安課長ラウゼが忽然と姿を消すと、エーデルケルンという別の人物が保安課長として存在しているのだ。やがてシュティラーは自らシミュラクロンによって仮想世界に入り込む実験を行う。コンピューターによる虚構の空間で、シュティラーは消えたラウゼの姿を見かける。
「あやつり糸の世界」は3月、ユーロスペースで公開。
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