スピルバーグ監督&主演トム・ハンクス「ブリッジ・オブ・スパイ」独プレミアで手ごたえ明かす
2015年11月16日 19:30

[映画.com ニュース] スティーブン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演、ジョエル&イーサン・コーエン脚本による「ブリッジ・オブ・スパイ」のインターナショナルプレミアが11月13日(現地時間)、物語の舞台となった独ベルリンで行われ、スピルバーグ監督とハンクスのほか、共演のエイミー・ライアン、セバスチャン・コッホらが出席した。
アメリカとソ連(現ロシア)が冷戦中だった1950~60年代を舞台に、実際の事件をベースに映画化。アメリカの弁護士ジェームズ・ドノバン(ハンクス)が指令を受けて東西分裂中のベルリンに赴き、自分が弁護を担当したソ連のスパイと、ソ連に捕らえられたアメリカ人スパイの交換交渉に挑む。
プレミアは、19年に開業した歴史ある映画館「ウーファー・パラスト・アム・ツォー」で開催され、約1500人の観客と世界各国から150人を超す報道陣が駆けつけた。観客から熱い歓声を浴びたハンクスは、「本作ではスピルバーグ監督のベストを期待してもらえると思います。彼のベストは、人間を扱った題材なんです。この映画は『シンドラーのリスト』(93)や『アミスタッド』(97)、そして前監督作『リンカーン』(12)といった作品に匹敵するものです」と力強くアピール。4度目のタッグとなるスピルバーグ監督との関係は磐石の様子で、「『君はどう思う? 何かよいアイデアはあるかい?』とよく聞かれます。(スピルバーグ監督が)僕に電話してくれるというだけでも、自分は恵まれていると考えているんです」と信頼を語った。
一方のスピルバーグ監督は、コーエン兄弟による脚本の完成度を指摘。「すべてが繊細な出来事の積み重ねだったので、セリフがわずか2行しかない役や、最も小さな役でさえも、細心の注意を払わなければならなかった。豪華なアンサンブルキャストが実現した、本当にすばらしい作品になったと思います」とコラボレーションに自信をのぞかせた。また、現代社会へのメッセージとして「思いやりをもって対処すれば、世界はもっとよいものになるということは常識だと感じています。(それぞれが)思いやりを持ち、自分の思いに従って行動しなくてはなりません」と語りかけた。
作品の仕上がりに胸を張る両者だったが、受賞が期待される第88回アカデミー賞に関しては「考慮されるというだけで名誉なこと。ただ、私はあまりあてにしないようにはしている」(スピルバーグ監督)、「一か八かの賭けのようなもので、期待することができるものではないよ」(ハンクス)と共に慎重な構えを見せた。
「ブリッジ・オブ・スパイ」は、2016年1月8日から全国公開。
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