行定勲監督「ピンクとグレー」の中島裕翔を絶賛「本当にアイドルはすごい」
2015年10月28日 18:50

[映画.com ニュース] 第28回東京国際映画祭のJapan Now部門で10月28日、「NEWS」の加藤シゲアキの処女小説を実写化した「ピンクとグレー」が上映され、メガホンをとった行定勲監督が東京・新宿ピカデリーでのティーチインに出席した。
加藤が芸能界の虚実を織り交ぜて書き上げた問題作を映画化。人気俳優・白木蓮吾が急逝したことで、少年時代からの親友で売れない俳優・河田大貴が一躍世間の注目を集める。しかし大貴は、蓮吾を失った悲しみと偽りの名声にもがき苦しみ、やがて自分を見失っていく。
今作で映画初主演を飾った「Hey! Say! JUMP」の中島裕翔について、行定監督は「本当にアイドルはすごいと、映画の中の演出で実感できた」と絶賛。その理由として「劇中であるプロモーションビデオが出てきますが、ものの15分くらいの撮影のなかで、中島君はキメキメでほとんどOK。恥ずかしそうでもなくカメラに向かってアピールというのは、プロじゃないとできない」とカメラに対する姿勢に言及し、「(同じく共演の)菅田将暉という、日本映画界が一番欲している優れた俳優と五分にやれるし、リスペクトしあっていました。(正式出品された)釜山映画祭の現地でも、ゲイカップルかと思うほどベタベタするくらい仲が良くて、それが映画の関係性がうまく作れた要因かなと思っています」と褒めちぎった。
行定監督と脚本・蓬莱竜太が大胆なアレンジを加えており、原作とは異なる物語が展開される。加藤の反応は「まだ聞いていない」というが、「映画俳優をもっとやっていきたいという気持ちがある方ですから、(改変を)理解してくれるだろうなと最初から思っていました」と明かし、「シナリオを見た時は、実験的な要素が物語を解体するみたいなところがあったので、『行定監督の本気度がうかがえました』というコメントでした。映画は映画で、この原作をもとにした作られ方があると理解してくれていると思う」と明かした。
劇中では、ある局面からモノクロ映像が挿入されるが、「『ピンクとグレー』というタイトルだから、モノクロにしたわけじゃないですよ。そう思われたら、ちょっと違う」と苦笑い。初めてモノクロに挑戦したそうで、「生々しく見えるもんだなと思いました。(色の情報が排除されるため)不思議なことに役者の顔しか見ていなくて、余計なものは見えないから、ずっとモノクロで撮っていたいと思いましたね」と振り返っていた。
「ピンクとグレー」は、2016年1月9日から全国で公開。第28回東京国際映画祭は、10月31日から公開。
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