橋本環奈「セーラー服と機関銃 卒業」で作り上げた“オリジナルの星泉”とは
2015年10月19日 05:00
[映画.com ニュース] 赤川次郎氏の人気小説を35年ぶりに映画化した「セーラー服と機関銃 卒業」の撮影現場がこのほど、群馬・高崎市内で報道陣に公開され、今作で映画初主演を飾った橋本環奈と、メガホンをとった前田弘二監督が取材に応じた。
1981年に製作・公開され、社会現象を巻き起こした映画「セーラー服と機関銃」のその後を描いた赤川氏の小説を、「婚前特急」「夫婦フーフー日記」の前田監督が映画化。弱小暴力団・目高組の組長という過去を持ち、現在は商店街で「メダカカフェ」を経営する高校3年生の星泉は、友人がモデル詐欺にあったことから再び危険に巻き込まれていく。
薬師丸ひろ子、原田知世、長澤まさみに続き、4代目となる泉に抜てきされた橋本は、「自分らしい星泉には、なれたかなと思います」と手応えをにじませる。演じるうえで注力した点を、「もちろん歴代3人の映像を見させていただいたのですが、それを真似するのではなく、まわりの監督やスタッフとオリジナルの星泉を作り上げていきました」と説明する。
これまでとは異なる泉を作り出す。そのために橋本はクランクイン前の約3カ月間、共演の大野拓朗、宇野祥平とともにリハーサルを重ねたといい、さらに「この1カ月間は橋本環奈を忘れて高崎に住み、星泉として生活していました」と明かす。“星泉としての生活”を役作りに組み込むことで、“橋本環奈らしい星泉”を体にすり込んでいったのだ。
また、トレードマークだったロングヘアーも、今作を機にバッサリと30センチカット。「正直切りたいと思っていたので、逆にバッサリ切れて嬉しいです。切ったその日に鏡を見てもあまり違和感がなく、もうこの髪型に見慣れました」とあっけらかんと振り返り、「生まれて初めて髪を短く切りました。髪を切ったときに、『自分は星泉なんだ』という意識が芽生えました」と語った。
そんな女優魂を見せた橋本を、最も近くで見守り続けた前田監督。「撮影する度に、橋本環奈演じる泉がどんどん顔が変わってきて、映画を通してその成長を追いかけていくのが、監督として至福の時間でしたね」とほほ笑む。そして、「僕のイメージをどんどん超えいきましたね。まわりの役者さんも、いい意味で橋本さんにどんどん教えたがるんですよ。助けてあげたいというか、そういう魅力が橋本さんの魅力」と称賛し、「最終的には僕の手には負えないくらいに成長していくと思います(笑)。本当に顔つきがだんだん変わっていくんですよ」と期待を込めた。
クランクアップ時の撮影では、機関銃を振り上げる角度など、芝居の一挙手一投足を入念に確認し合う橋本と前田監督の姿が印象的だった。それだけに、橋本は「本当に細かく演技指導をしてくれました。私自身も初主演という手探り状態のなかで、細かく丁寧に演技指導してくれたおかげで、この1カ月間成長できたかなと思います」と前田監督に大きな信頼を寄せていた。
「セーラー服と機関銃 卒業」は、16年3月5日から全国で公開。
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