ファスビンダー監督の特集上映、猫沢エミ「監督が人間が大好きだというのが魅力」
2015年9月26日 16:19

[映画.com ニュース] アンスティチュ・フランセ東京で開催中のライナー・ベルナー・ファスビンダー監督の特集上映で9月25日「マリア・ブラウンの結婚」が上映され、ミュージシャンの猫沢エミがファスビンダー監督の作品について語った。
ファスビンダー生誕70周年を記念し「WEEKEND CINEMA vol.3 ファスビンダーと美しきヒロインたち」と題した上映イベントで、ニュー・ジャーマン・シネマの担い手として、戦後ドイツ映画界を牽引したファスビンダーが、女性を主人公にした「マルタ」(1975)、「マリア・ブラウンの結婚」(79)、「ローラ」(1981)の3作品を紹介する。
猫沢はフランス滞在中の2005年に、ポンピドゥー・センターで開催されたファスビンダーの回顧上映に通った際のエピソードを披露。老若男女様々な観客が集っていたそうで「どの作品も2時間前には行かないとチケットは売切れで、長蛇の列だった。ここまでファスビンダーが知られていることに驚き、やはりフランスでは映画が文化として浸透していて感動した」と述懐。37歳で死去するまでに、テレビ作品を含め生涯で60本以上を残したファスビンダーの作品の多様性を紹介した。
ファスビンダーの作風について「時代を経てしまったことへの違和感はあるかもしれないが、描かれていることは普遍的で、何よりも監督が人間が大好きだというのが魅力」と語る。監督自身の私的な背景も作品に投影されていると分析し、「バイセクシャルだったがそのことを売りにしているわけではなく、性差を問わず人間が好きで、ものすごくフラットに人を見ていた。(特集で上映された)3作品は女性側に寄った視点で描かれたと思う」と語った。
ファスビンダーがダグラス・サークから影響を受けていたことにも触れ、「サークのメロドラマは一般の観客を飽きさせない作風。ファスビンダーは一時期サークにのめり込んでいて、それはこの3作品にも貫かれており、映画は娯楽でなくてはいけないという思いがちゃんとあった」と説明。また、インタビュー集「ファスビンダー、ファスビンダーを語る」(boid刊)に収録されたエピソードを紹介しながら「私生活では破天荒な人だったが、人間に対しては、常人よりも常人的なまっとうなモラルがある、愛すべき人」と評した。
特集は27日まで。スケジュールは公式サイト(http://mermaidfilms.co.jp/beauties/)で告知する。
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