江口洋介、原発を映画で描く難しさ吐露! 堤監督の勇気に最敬礼
2015年9月20日 16:00
[映画.com ニュース] 東野圭吾氏の小説を映画化した「天空の蜂」が公開1週間で観客動員数30万人を突破。主演の江口洋介、劇中で江口の息子を演じた田口翔大くん、堤幸彦監督は9月20日、都内でヒット御礼舞台挨拶に臨んだ。
最新鋭の巨大ヘリコプターがテロリストによる遠隔操作で奪われ、原発の上空で停止するという事件が発生。息子が偶然、ヘリの中に取り残されたヘリの設計士・湯原が息子を救出し、さらに原発へのヘリ墜落という惨禍を防ぐために奮闘するさまが描かれる。
東野氏の原作は、原発問題に鋭く切り込んでおり“予言の書”と称されるが、江口は「難しい問題を抱えている。いまの日本ではなかなか通らない企画。東野さんが書いて、松竹と堤さんが『やる』と言った勇気が僕たちを動かした。こういう時代だからこそ、みなさんの中に少しでもグッと入って、背中を押す作品になったと思います。感無量です」と充実の面持ちを浮かべた。堤監督は「原発のことや企業、国の体制、防衛産業、そこで働く人々の心情まで読み取れる緻密で完成度の高い原作で『私のスキルで大丈夫か?』と思ったけど、チームで向き合いました」と語り、公開後の反応も「いいご意見をいただいてます」と手応えを口にした。
ヘリに残される湯原の息子・高彦を演じた翔大くんは、現在小学5年生。堤監督、江口は「背が伸びた!」「『(ヘリから)飛び降りろ!』とはもう言えない(笑)。受け止めきれないかも」としばらく見ない間の成長に目を細めた。江口は、「現場では小さかったんですけど、目が真っ直ぐで何色にも染まっていなかった」と語り、堤監督は「『小さな恋のメロディ』に出ていた男の子に似てるね」と語り、今後のさらなる成長に期待を寄せていた。
翔大くんは2人への感謝の手紙を朗読。江口は「嬉しい限りです。高彦の視線がなかったら、湯原の勇気ある行動は生まれなかった」と逆に感謝の思いを口にする。最後に、江口は改めて「いま世の中が騒がしくなってますが、ぜひこの2時間17分45秒を映画館で味わってほしい」と呼びかけた。