本広克行監督が女子高生の群像劇でスターを発掘、演劇と映画の境界線をぶっ壊す!
2015年8月24日 22:40

[映画.com ニュース] ももいろクローバーZ(ももクロ)を主演に高校演劇を描いた映画と舞台「幕が上がる」で話題をさらった本広克行監督が、同じく平田オリザの傑作戯曲「転校生」を斬新な演出で上演。オーディションで選出した新人女優21人を主演に迎えたこの作品が8月22日に幕を開け、本番前に公開ゲネプロが行われた。
「転校生」は平田が21年前に発表して以来、「高校演劇のバイブル」と言われてきた作品。女子高校のなにげない1日をスケッチすることで、少女たちが抱える心の揺れを感じさせる群像劇だ。平田作品特有である「同時多発」する会話のリアルさ、奥深さ、面白さが魅力になっている。
師と仰ぐ平田とのコラボ三部作の大トリとなる本作は、いろいろな意味で意欲作。映像や斬新な空間演出を駆使し、「演劇と映画の中間点を目指した」という。
「この戯曲は同時多発の会話をどう聞くか、視点を自分で選ぶ醍醐味がある。今回はさらに、セリフだけではなく選択肢をドカンと増やしました。サイドにカメラが何台もあって、そのカメラが撮影する映像をスクリーンに映し出します。広いライブ会場のモニター画面のように。それから、奥のスクリーンでは三段の脚本をずーっと映していく。しかも通路にはスタンバイしている役者がいて、カメラのスタッフワークも見えるから、舞台上にはものすごい情報量があるんですよ。いわゆるメタ構造で、どこを楽しむか選べるんです。映画と演劇の境界線をぶっ壊しています(笑)」
キーパーソンとなる転校生・大西由美役の桜井美南はこれが初舞台。
「お稽古が始まってからも配役が決まっていなくて、違う役を演じていく中で決まったので発表のときはうれしかった。不安でしたがこの役を演じられてよかったです」とニッコリ。舞台経験が比較的豊富な清水葉月(転校していく野本小百合役)は、本広について「みんなから出るエネルギーを一歩引いて待ってくださっているという感じがしました。初めからこうだと決めつけるわけではなく、重ねていくうちに出るものからいいところを引っ張り上げて、それを融合させていく演出だったと思います」と分析した。
昨年から「幕が上がる」の映画、舞台、本作と“女子校づくし”の本広が、若い女優たちを「もう、男の子にしか見えないですね(笑)。野郎のようです。女子校の先生ってこういう感じなのかな」と発言すると、キャスト陣から「えええー」と一斉にブーイングが起こる一幕もみられた。
とはいえ女優たちへの評価は高く、きっとこの作品を見たことを自慢できるようになるはず、と本広は太鼓判を押す。
「生き残っていく子は必ずいると思います。オーラの出始めている子もいるし。テクニックのある子、ビジュアルのいい子、コメディセンスのある子、と各タイプが揃っていますから。70倍の中から選ばれた人たちとの出会いは千載一遇ですし、映像も若手の監督さんたちにやってもらっているんですね。ここからいろんな出会いの輪が出来て、ここからたくさんの作品が生まれて、みんながスターになってほしい。僕らがいまやったことが10年後に評価されたらいいなと思っています。この作品は僕がいつもやっている“ザ・エンターテインメント”ではなく、見る人によってまったく変わってくるだろうと思うので、反応が楽しみです」
「転校生」は、9月6日までZeppブルーシアター六本木で上演中。
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