町田康&中原昌也、アレクセイ・ゲルマンの遺作「神々のたそがれ」を語る
2015年3月28日 21:30

[映画.com ニュース]ロシアの巨匠アレクセイ・ゲルマン監督の遺作「神々のたそがれ」のトークイベントが3月28日都内劇場であり、作家でミュージシャンの町田康と中原昌也が作品を語った。
アンドレイ・タルコフスキーの代表作「ストーカー」の原作者として知られるストルガツキー兄弟が1964年に発表した小説「神様はつらい」が原作。地球から800年ほど遅れた発展を遂げた惑星が舞台で、調査のため、地球から派遣されたドン・ルマータが、未来から知識と力を持って現れた神のごとき存在として崇められるが、政治介入は許されず権力者たちによって繰り広げられる蛮行を映し出す。
本作を2度鑑賞し「全く退屈しなかった」と言う町田は「何よりも素晴らしいと思ったのが、何かが決定的に上手くいかない感覚がすごく良かった。しんどいとか、汚いと思う人もいると思いますが、その世界がおもしろかった」と振り返る。中原は「僕も2回見ていますが、話を理解するよりも、酔っ払った先輩に引きずり回されている感じ」と独特の表現で語り、「音だけ聞いていても気持ちが良い。どういう風にああいうサウンドになったのか気になる」とミュージシャンならではの感想を述べた。
モノクロームで暴力と不潔にまみれた世界が圧倒的な映像で描き出されるが、話の筋を説明する描写が一切ないため、難解とも言われる本作。町田は「1回見ただけでは何がなんだかわからんと言う感じですが、わかる必要はないと思った」そして、「主題はわかりやすい。未開の状態の人間をちょっとましな状態の人が見て、しんどいなという話」と説明する。
中原は「芸術とかお高くとまった感じがない。泥まみれになって出て来る人が理解できる範囲内の世界が描かれていて、物語が無いように見えるのが楽しい。よくわからない太鼓のシーンとか、何がしたいのかわからないですが心躍りました」と話し、町田は「意味不明なことが、いちいちおもしろい。太鼓も曲にすらなっていないのに」と同調。また、町田が「中原昌也の小説の世界に近い」と評すると、中原は「映画より原作が町田さんの小説に近いと思った」と言い、本作にふたりの表現する世界観と共通するものを感じていたようだった。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
人生にぶっ刺さる一本
【すべての瞬間が魂に突き刺さる】どうしようもなく心が動き、打ち震えるほどの体験が待っている
提供:ディズニー
ブルーボーイ事件
【日本で実際に起きた“衝撃事件”を映画化】鑑賞後、あなたは“幸せ”の本当の意味を知る――
提供:KDDI
プレデター バッドランド
【ヤバすぎる世界へようこそ】“最弱”ד下半身を失ったアンドロイド”=非常識なまでの“面白さと感動”
提供:ディズニー
あまりにも凄すぎた
【“日本の暗部”に切り込んだ圧倒的衝撃作】これはフィクションかノンフィクションか?
提供:アニモプロデュース
盤上の向日葵
【「国宝」の次に観るべき極上日本映画に…】本作を推す! 壮絶な演技対決、至極のミステリー、圧巻ラスト
提供:松竹
てっぺんの向こうにあなたがいる
【世界が絶賛の日本映画、ついに公開】“胸に響く感動”に賞賛続々…きっとあなたの“大切な1本”になる
提供:キノフィルムズ