ももクロ、大林宣彦監督の「幕が上がる」絶賛メッセージに感激しきり
2015年2月21日 12:45
[映画.com ニュース]人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の主演映画「幕が上がる」が2月21日、さぬき映画祭2015で上映された。メガホンをとった本広克行監督、青春映画の巨匠・大林宣彦監督が、イオンシネマ綾川で軽妙なトークを繰り広げるなか、同グループの百田夏菜子、玉井詩織、有安杏果、高城れに、佐々木彩夏が急きょ参戦し、場内のファンを興奮の渦に巻き込んだ。
同作は、劇作家・平田オリザ氏の同名小説を映画化したもの。メンバーの5人は、クランクイン前に演技力向上と作品のテーマである演劇について学ぶため、平田氏のもとで複数回にわたるワークショップに参加した。大林監督の甥(おい)にあたる平田氏も舞台挨拶に飛び入り参加し、「公の場で2人がそろうのは初めて」という貴重な2ショットに、ももクロのメンバーは大興奮だった。
この日は、大林節がさく裂した。有安が「現場では役名で呼ばれるのですが、終盤には役名に慣れて、役になれたと思った」と振り返ると、大林監督は「それだよ。それが、女優になったということなの」とニッコリ。さらに、佐々木が「黒木華さんやムロツヨシさん、そういう方々と1カ月以上もご一緒できたことが楽しかった」と話すと、「いいことですね。他人を知ることで自分を知ることができる」と返し、場内を唸らせた。
百田は、「黒木さんやムロさんと一緒にお芝居をして、普段ない感情を引き出していただいた」と述懐。これにも、「それもあなたなんだよ。演じた役だけ人生を生きられるんだ」と語り、喝さいを浴びていた。また、舞台を演出する役どころを演じた百田に対し、「演出家とは何に喜びを見出すかということを、ちゃんと考え、悩んでいたことが映っていましたよ」と称えた。それでも、今作の欠点を「俺を役者で使わなかったことだよ」とジョークで場を和ますことを忘れなかった。
大林監督は、メンバーを見わたし「この子たちは客観的に自分たちを見つめることができる賢さを持っているね。この映画は希に見る作品。オリザ君と本広監督の力ですね。芸能界に入ると普通の女の子には戻れなくなるもの。あなたたちは汚れず、普通の女の子になっていましたね」と絶賛。しかし、舞台版「幕が上がる」の脚本を手がける平田氏が「舞台(の厳しさ)はあんなもんじゃない」と目を光らせると、メンバー5人は絶句していた。
さぬき映画祭2015は、2月22日まで。