仲代達矢、世界の食糧危機を救った日本人役で「その事実を伝えたい」
2015年1月20日 12:20

[映画.com ニュース] 第2次世界大戦後の世界的な食糧危機を救うきっかけとなった小麦「農林10号(ノーリン・テン)」の育成者、故稲塚権次郎氏の半生を描く映画「NORINTEN 稲塚権次郎物語」が今秋公開の予定で製作されている。同作に主演する名優・仲代達矢が、このほどコメントを寄せた。
日本の農業の基礎を築き、「農」の神様とよばれた稲塚氏(1897-1988)は、小麦農林10号をはじめ、コシヒカリやササニシキ、あきたこまちの先祖にあたる品種を生み出した育種家。「実在した人を演じるのは難しいと思いました」と語る仲代だが、「この映画の主人公 、稲塚権次郎さんは、世界の食糧危機を救う基となる小麦を作った、世界の人々に大きな影響を与えた人です。ぜひその事実を伝えたい、映画を観る人たちに知ってもらいたいと思いました」と使命感をにじませる。
稲塚氏の故郷である富山・南砺市で行われた撮影について、仲代は「山の稜線が連なり、平野が広く、各農家は木に囲まれている。この地に生まれ育った権次郎さんが果たしたかった『夢』。私もいずれ住んでみたいと思う場所の一つです」と、土地の素晴らしさを語った。国内での撮影は昨年終了しており、2月にはインドでロケを敢行する予定だ。
メガホンをとるのは、稲塚さんの遠戚にあたる稲塚秀孝監督。「貧しい農家に生まれた権次郎は、同じ境遇の人々にやさしいまなざしを送り、渾身の研究を重ね、成果をあげました。戦前・戦後にかけて、妻を愛し、故郷を愛した一人の人間の姿を追いました」と、作品に込めた思いを語っている。
1月31日に公開される「仲代達矢 『役者』を生きる」をはじめとしたドキュメンタリー映画を手がけてきた稲塚監督が、ダーウィン著「種の起源」に啓発され、育種の喜びと“農”の改良にまい進し、時代を生き抜いた熱い男の半生を、資料映像を交えて掘り下げる。若い頃の権次郎は、仲代が主宰する劇団「無名塾」の松崎謙二が演じる。
35年に開発された農林10号は日本では普及しなかったが、戦後に米国やメキシコに渡り品種改良が進められた。その結果、収穫量が大幅に向上した品種が誕生し、世界の食糧危機を救う「緑の革命」へと繋がる。新品種の開発に貢献したメキシコのノーマン・ボーローグ博士は70年にノーベル平和賞を受賞、翌71年に稲塚氏は勲三等瑞宝章を受章した。
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