加瀬亮、ホン・サンス監督の現場に最敬礼「これ以上の現場はあるのかな」
2014年12月13日 17:55
かねてホン監督ファンであることを公言している加瀬は、今作の撮影について「今ちょっと不安なのは、“これ以上の現場はあるのかな”って思うくらい楽しかった(こと)。ものすごく開放的な現場で、スタッフもものすごく少ないので、ひとりひとりが映画づくりに集中していて、熱気みたいなものがすごく心地よかったです」と感想を語り、憧れの監督に最敬礼だった。
この発言を受けてホン監督は、「加瀬さんと一緒に仕事をして、本当に満足して、これ以上望むことはないと感じました」と加瀬を絶賛。クランクアップ後もメールなどで連絡を取り合っていると明かし、「本当に真面目で、映画に対する態度が真摯な方だなと思いました」と加瀬の人柄を語った。
2年前、同館で行われた雑誌の対談が縁で今作が生まれたと明かしたホン監督は、「加瀬さんのお顔が赤くなったのが印象的でした。珍しい、いい方に出会ったと思った。加瀬さんは男性ですが、美しい方だなと思いました」とほほ笑み、会場の笑いを誘った。加瀬も「すごく緊張していたんですが、監督がニコニコされていて、それを見た瞬間緊張が飛んで、ただ一緒にいるのが嬉しいという感じになったのを覚えています」と相思相愛の様子を見せ、「こうやって映画を携えてここに立っているのをすごく不思議に思いますし、とても嬉しく思います」と喜びを語った。
また、あえて撮影日の朝に脚本を書くというホン監督の撮影手法について、加瀬は「普通は不安だから準備して、安定を求める。たぶん監督がやろうとしていた事は『頼りなさの中に自分を置く』という事だと思いました。そうすると今目の前のことがものすごく強烈に飛び込んでくる」と分析した。先が見えない中での撮影を、「(その時に)起こる偶然を受け入れながら、台本をきっちりやりながらという、不思議で面白い体験でした」と語った。
思いを寄せる年上の韓国女性クォンを追いかけ、ソウルにある迷路のような路地の街にやってきた日本人青年モリ(加瀬)。宿泊先のゲストハウスで知り合った男と飲み歩いたり、近所のカフェ「自由が丘」の女性オーナーと急接近したりする日々を日記のようにクォンへの手紙に綴りながら、ソウルの街をさまよい続ける。