ケラリーノ・サンドロヴィッチ×仲村トオル、太宰治未完の遺作を舞台化
2014年12月7日 14:00
[映画.com ニュース] 演劇界の鬼才のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が、俳優の仲村トオルを主演に迎え、太宰治の未完の遺作「グッド・バイ」を舞台化することが発表された。7年ぶりに再始動するKERAのプロデュース企画「KERA・MAP」の第6回公演「グッドバイ」として、来年9月から上演する。
小説「グッド・バイ」は、新聞に連載する予定で13回分まで書いた時点で、太宰が玉川上水で入水自殺を遂げ絶筆となった作品であり、軽やかでシニカルな文体でユーモラスな会話や描写がつづられる。脚本・演出を手がけるKERAは、「太宰にさほど興味のない私だが、どうしてあんなペシミストが、最期にこんな軽くユーモラスな作品に取り組んだのかが、ずっと興味深かった」といい、「ヘナチョコな色男・田島と怪力傲慢な美女キヌ子。そしてたくさんの田島の愛人。軽妙酒脱な喜劇には格好の御膳立てと思われ、今回私はこれを、スクリューボールコメディとして成立させようと試みる。どうか御期待頂きたい」と語る。
座長の仲村にとってKERAと舞台でタッグを組むのは、2010年の「黴菌」、現在上映中の「夕空はれて~よくかきくうきゃく~」に続き3度目。さらに今年の夏は、KERA脚本・監督のテレビドラマ「怪奇恋愛作戦」(来年1月スタート)の撮影に参加しており、「今年の大半はKERAさんの演出を受けていました。つまり夏以降は、俺、ほぼ「ナイロン(100℃)」?のような……」とコメント。「来年の『グッドバイ』はまだかなり遠い話のような気がしますが、KERAさんに『これでさよなら』と言われないように、千秋楽の幕が降りる前にお客さんからは『グッドバイと言わないで!』と言われるように頑張ります」と意気込んだ。
KERAは、7年ぶりに自身のプロデュース・ユニットの活動を再開を「第二期KERA・MAP」の始動と位置づけ、「2008年までの第一期においても、様々な規模、様々なフィールドで、様々な種類の演劇を不定期に上演してきたこのMAPだが、今後もこの姿勢は変わらない。やりたい時にやりたい種類の舞台をやりたい規模で上演したい。応援よろしくお願いします」とメッセージを寄せた。
小説「グッド・バイ」は、10人もの愛人を抱え、単身東京で暮らすふらちな男・田島周二が、田舎に残していた妻子を呼び寄せようという里心に近い気持ちにかられ、女たちと別れようと試みる物語。冒頭部分で絶筆しているため、絶妙な会話劇の名手と言われるKERAがその続きをどのように舞台化するのか期待がかかる。
知性と不純性を併せ持つ主人公の田島を仲村、絶世の美女だが男のようで口の悪いキヌ子を小池栄子が演じるほか、水野美紀、夏帆、門脇麦、町田マリー、緒川たまき、萩原聖人、池谷のぶえ、野間口徹、山崎一といった実力派キャストが顔をそろえる。
KERA・MAP#006「グッドバイ」は、2015年9月東京・世田谷パブリックシアターで上演した後、10月には日本各地での公演を予定している。
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