乃木坂46秋元真夏、生田絵梨花、橋本奈々未が語る「超能力研究部の3人」主演の戸惑い
2014年12月5日 10:00

[映画.com ニュース] 「リンダ リンダ リンダ」「もらとりあむタマ子」で知られる山下敦弘監督の最新作「超能力研究部の3人」で主演を務めた、人気アイドルグループ「乃木坂46」の秋元真夏、生田絵梨花、橋本奈々未の3人が、同作について、そして山下監督について語った。
山下監督が手掛けた同グループ5枚目のシングル「君の名は希望」のミュージックビデオ内で行われたオーディションを勝ち抜いたことで、「主演映画」制作が現実のものとなった3人。だが「超能力研究部の3人」は、超能力やUFOを真剣に研究する女子高生たちを描く大橋裕之の漫画「シティライツ」の映画化でありながら、撮影に挑む3人の素顔もカメラに収められ、虚構と現実がブレンドされた「フェイクドキュメンタリー」として完成した。
リハーサルだと信じて挑んだ本編映像がある一方で、監督本人役として監督が登場するという偽のメイキング映像が混在するだけに、「私たちも演じながら、どこからフェイクなのかわかんなくなりました(笑)。監督ですら『俺も分かんない』って言っていました」と話す橋本。見る者が現実なのか虚構なのか判断できなくなってしまうという、作品の本質を端的に表した。
「(フェイクドキュメンタリー部分の台本は)状況が書かれているだけで、決められたセリフはなし」という生田の言葉は、そういう状況だからこそ、本人たちも予期しなかった本音が漏れ出てきたことを裏付ける。
例えば、ケンカのシーンで怒りをうまく表現できない秋元を見かねた山下監督が、共演陣に指示し、素で「アイドル・秋元真夏」を否定するような罵声を浴びせさせ、秋元の怒りを引き出すさまが映し出される。秋元は「台本には『ケンカで苦戦』とだけ書いてあるんですけど、何を言われるのか知らされないまま始まりました。あんなに追い詰められるとは思っていなかったです。あのシーンで出てきたリアクションは、本音です」と振り返る。
生田も、撮影中のインタビューで意外な悩みを吐露するが「台本には『インタビュー』とあったんですが、質問内容はそこで初めて知ったんです。自分でもあんなにしゃべって、涙まで流すとは思っていなくて(笑)。気づいたら、本当の感情が混じっていました」と明かす。
また、橋本が、大学の先輩だったというスタッフと現場で再会し、会話するなかで見せる表情も新鮮だ。「私が『お姉さんキャラ』と言われるようになったのは乃木坂46に入ってからで、それまではずっと『末っ子キャラ』で通っていて、『しっかりしてる』なんて言われたことがなかったんです。(先輩との会話では)素直な自分の思いが出ているのかもしれないですね」。
3人の女子高生の青春映画に挑む実在の3人のアイドルたちが、現実と虚構の間で見せる苦悩と成長。「超能力研究部の3人」は秋元、生田、橋本の、これまで見せたことのない「本音」を楽しむべき作品だ。12月6日から全国公開。
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