杉野希妃監督、W主演・三津谷葉子&斎藤工に感謝「2人のおかげ」
2014年11月22日 22:15
[映画.com ニュース] 女優・プロデューサーなど幅広く活躍する杉野希妃の監督作「欲動」が11月22日、公開初日を迎え、杉野監督と主演の三津谷葉子が東京・新宿武蔵野館で舞台挨拶に立った。6年前から企画を温めてきたという杉野監督は、「まさか本当に映画にできるとは思っていなかった。三津谷葉子さんと斎藤工さんが演じてくださったおかげで形にできました」と丁寧に謝辞を述べた。
同い年で、プライベートでも親交が深いという杉野監督と三津谷。お互いに「希妃さん」「葉子ちゃん」と呼び合い、和やかなムードで舞台挨拶が始まった。三津谷が「希妃さんは、明るくて優しくてどこまでも私の思いに寄り添ってくれる方」と杉野監督を見ると、杉野も「葉子ちゃんは本当に真面目で優しい。こんなに気配りができて性格のいい人はいないです」とほめそやし合戦を繰り広げた。
さらに、斎藤のキャスティングについて杉野監督は「7年前、私の日本のデビュー作でご一緒した。演技力もさることながら、人間力もある」とベタ褒めし、「工さんが今までの男性的なイメージを覆す、病弱な役をやったらどうなるんだろうという私の勝手な興味から配役させて頂きました」と主演の2人が本作にもたらした影響の大きさをうかがわせた。
女優として出演も果たしている杉野監督は、撮影に関しても斎藤からアドバイスをもらったといい「本当にさりげなくフォローしてくださいました。尊敬しています」と感謝が尽きない様子で語ったが、この日登壇がかなわなかった斎藤から「お二人とも麗しい外見に隠された力強い信念があり、私をはじめ各国の野郎どもを率いてくださいました。心から感謝しています」とのメッセージが届けられると、三津谷と顔を見合わせほほ笑んでいた。
また、バリ島で行われたロケのスタッフの半数以上がインドネシア人だったと明かした杉野監督は、「打ち合わせしている日本人スタッフに『打ち合わせよりスマイルだよ』って。予定にないカットも『今やろう』となったり。日本の現場にはない融通みたいなものを感じて、アジア映画の神髄を見たという感じでした」と充実した撮影期間を振り返った。
バリ島を舞台に、不治の病を患い死の恐怖に駆られる夫と、夫を気丈に支えようとする妻の姿を通じ、男女の性愛と生死を繊細かつ大胆に描く。実際にバリ島でロケを行い、東南アジアの民族音楽「ガムラン」、男声合唱による呪術的な踊り「ケチャ」など、バリならではの描写が織り交ぜられている。今作で杉野監督は、第19回釜山国際映画祭「Asia star award 2014」の最優秀新人監督賞を受賞している。