宮城出身の鈴木京香、被災地描く主演作に「中途半端には出来ないという恐怖心もあった」
2014年11月10日 16:10
[映画.com ニュース]被災地で地域医療に従事する麻酔科医の姿を描いた映画「救いたい」の完成披露試写会が11月10日、東京・よみうり大手町ホールで行われ、主演の鈴木京香、三浦友和らキャスト陣と製作陣が舞台挨拶に出席した。
本作は、東日本大震災の被災地で暮らす人々の生活を、鈴木扮する麻酔科医の視点から描いたヒューマンドラマ。被災地である宮城県出身の鈴木は、出演に関して「宮城県出身だからこそ声をかけて頂いたのかもしれないですが、だからこそ中途半端には出来ないという恐怖心もちょっとありました」と心境を吐露。不安はあったが「それでもやりたいと思いました」と特別な思いを口にした。
さらに鈴木は、震災と復興という繊細なテーマについて「被災地の大変なことだけではなく、現地で自分の職業をまっとうしようと努力している人たちを、奇をてらわずに描いている」と語り、「とにかく素直に、正直に演じようと思いました」と脚本の素晴らしさを称えていた。また、「夫婦のあり方がとっても素敵。憧れました」と夫役の三浦を見てニッコリ。これには三浦も「鈴木京香さんが奥様ですから。楽しく演じさせて頂きました」と笑みをこぼした。
この日登壇した鈴木、三浦、渡辺大、貫地谷しほり、中越典子、原作者の川村隆枝氏、神山征二郎監督監には、映画化の発起人である広島大学麻酔科医講師・讃岐美智義(みちよし)氏ら麻酔科医と看護師から花束が贈呈され、感無量の面持ち。三浦は、全国公開に先立つ試写会に集まった観客に向かって「普段はあまり言わないのですが、必ず勧めて頂きたい作品です」と力強く語っていた。
仙台医療センターに勤める優秀な麻酔科医・川島隆子(鈴木)は、多忙な毎日を送りながらも、被災地に診療所を立ちあげた夫・貞一(三浦)を妻として支えていく。被災後、苦悩を抱えながらも前向きに生きようとする人々の再生を描く。「救いたい」は11月22日から東京・新宿ピカデリーほか全国公開。