ももクロ、平田オリザ原作×本広克行監督の「幕が上がる」映画&舞台に主演
2014年11月5日 08:00
[映画.com ニュース] 人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の5人が、劇団青年団主宰の劇作家・平田オリザが2012年に発表した処女小説「幕が上がる」の映画化&舞台化に主演することがわかった。映画版、舞台版ともに、「踊る大捜査線」シリーズで知られる本広克行監督が演出を手がける。
北関東にある県立高校を舞台に、弱小演劇部に所属する少女たちが全国大会出場を目指す青春ストーリー。高校3年生になり、演劇部最後の1年を迎えた部員のさおり、ユッコ、ガルルらは地区大会突破を目指すが、東京の大学で演劇をやっていたという新任の美人教師に後押しされ、全国大会を目標に掲げることに。そこから、さおりたちの演劇に打ち込む1年が始まる。
主演となる演劇部の5人には「今、もっとも輝いている少女たちに演じてもらいたい」という理由から、ももクロを抜てき。百田夏菜子が演劇部部長で演出担当の高橋さおりに扮し、玉井詩織が看板女優の橋爪裕子(ユッコ)、高城れにはムードメーカーの西条美紀(がるる)、有安杏果は演劇強豪校から転校してきた中西悦子(中西さん)、佐々木彩夏はさおりを慕う後輩部員・加藤明美(明美ちゃん)を演じる。映画版では、演劇部を指導する新任先生役に黒木華ほか、ムロツヨシ、清水ミチコ、志賀廣太郎が共演する。
メガホンをとる本広監督は、平田の戯曲や著作にのめり込み、2010年には青年団のキャスト、スタッフの協力を得た舞台「演劇入門」の演出も手がけている。以前から平田の作品を映画化したいと口にしていたことから、処女小説を書き上げた際に「映画化に向いているのでは」と本広監督にゲラ刷りを渡したことから、映画化が動き出した。
本広監督は、「なんとしてもヒットする作品に、自分の作った青春ドラマや映画で一番見たくなる作品にする」と情熱をたぎらせる。そして「オリザさんが書かれる戯曲を、ももクロZのメンバーで演出できることは本当にやりがいがあり、しかも自分が企画して監督した映画の集大成になることは間違いないと確信しています」と言葉にも力がこもる。
ももクロの5人は撮影前、現代口語演劇理論を提唱し、現代演劇に大きな影響を与えた平田の下、演技力の向上と作品のテーマである「演劇」について学ぶことを目的に、複数回にわたるワークショップにも参加した。ももクロの主演に、当初は「期待と不安と半々でした」という平田も、「たいへん勘のいい子たちなので、すぐに演技のコツをつかんでいったようです」と太鼓判を押す。演出家の役を演じる百田はワークショップの中で平田が演出を付けたあと、自らの言葉で他のメンバーに演出をするという体験もしており、平田は「実際の映画の中でも生かされ、演出家として成長していく姿をうまく演じてくださったと思います」と話している。
このワークショップについて、百田は「お芝居とはなんなのか、そこから教えてくれました! お芝居はこうでなくちゃダメとかない。アイドルがこうでなくちゃってのもない。その時、ジャンルを通り越してなにか新しいものが作れる気がしました!」と語っており、多くのものを得た様子。撮影では「自分の心でよし!と思ったときと、監督のOK!が重なる事が多くて、なんだか通じあっている気がして嬉しかったです」という。
脚本は「桐島、部活やめるってよ」の喜安浩平が担当。撮影は8月22日から行われ、10月8日にクランクアップ。現在はポストプロダクション作業に入っている。2015年2月28日全国公開。舞台版は15年5月に公演予定。
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