ロシアのコット監督、新藤兼人「裸の島」に影響受けたと語る
2014年10月30日 18:45

[映画.com ニュース] 東京・六本木ヒルズで開催中の第27回東京国際映画祭コンペティション部門出品作「草原の実験」の上映が10月30日あり、アレクサンドル・コット監督が会見した。
広大な草原地帯を舞台に、平和な日々を送る父と美しく優しい娘、そして娘に恋をするふたりの青年のエピソードを軸に、いっさいのセリフを排除し、映像美のみで反核を訴えた異色のアート映画。
カザフスタンで実際に起きた出来事にインスパイアされて製作された本作についてコット監督は、ヨス・ステリング監督の「イリュージョニスト(1983)」、メル・ギブソン主演の「アポカリプト」、そして新藤兼人監督の「裸の島(1960)」から、影響を受けたと明かす。
セリフのない映画を作るにあたり、「頭の中にシーンを思い浮かべて書きました」と脚本らしい脚本はわずか3ページのみだったそう。キャスティングについては「顔色だけで何が言いたいのかわかるような、表情豊かな役者を選びました」と語る。最も苦労したのは編集で「セリフがないので、観客が退屈して眠らないようにすること、後はプロの女優ではない14歳の少女の演技ではない自然な表情を切り取った」と説明した。
シネマスコープでダイナミックに美しい草原地帯の風景を映した理由については「パソコンやスマホではなく、映画館で見る観客を念頭に置いてこの手法をとった」と話し、ソ連時代のキルギスの絵画のイメージを取り入れたり、色の修正をせずにありのままを切り取ったと映像へのこだわりを語る。核爆発のシーンでは「アニメーションや、アメリカが撮った核実験の美しい映像のようにならないよう気を配った」と振り返った。
東京国際映画祭は10月31日まで開催。
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