東京国際映画祭上映作「36のシーン」監督、コンセプチュアルな製作手法を披露
2014年10月27日 10:40

[映画.com ニュース] 第27回東京国際映画祭CROSSCUT ASIA部門のタイ映画「36のシーン」が10月26日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで公式上映され、本作でメガホンをとったナワポン・タムロンラタナリット監督がティーチインに出席。終始柔和な笑みをたたえながら、コンセプチュアルな製作手法を明かした。
昨年の第26回、Twitterを全面に取り入れた実験的な演出が話題となった上映作「マリー・イズ・ハッピー」のナワポン監督が、ロケハン係の女と美術監督の男という映画製作スタッフの男女が織りなす恋の行方を、ワンシーンワンショットで撮影された“36”の場面で描いた。
「36」の意味を聞かれると、「1本のフィルムで36枚の写真が撮れるところからコンセプトを得ました。だから36枚で物語を構成できれば、1本の映画が撮れるのではないか。映画の新しいストーリーの展開方法も実験してみたいと思いました」と語る。それだけに、「実験映画なので撮り終えたらそれで終わり。あとは観客の反応が『好き』か『嫌い』かということだけです」と客席に判断をゆだねた。
さらに、本作が4コマ漫画性を帯びていると指摘されたが「画は1枚1枚つながっているわけではなく、つなげるのは観客がやる作業。だから、必ずしも4コマ漫画のような起承転結はないのです」と首を振る。そして「例えて言うと、まるで友達のFacebookのフォトアルバムをのぞき見している感じ。見ていると、この頃は恋愛して楽しそうだけど、ある時は落ち込んでいるんだろうなと勝手に想像して話を作っていく」とユニークな発想法を披露した。
また、ナワポン監督は10月25から東京・明治神宮外苑絵画館前で開催されている「TOKYO DESIGNERS WEEK2014」にアート作品を出品しているという。「ヤングクリエイター展アート部門においてあるので、もしお時間あれば見に来てください」と笑顔でアピールに努めていた。
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