宮沢りえ、主演作「紙の月」に揺るがぬ自信 海外作品へも意欲「どこへでも飛んでいく」
2014年10月25日 17:05

[映画.com ニュース] 女優の宮沢りえが10月25日、第27回東京国際映画祭コンペティション部門に選出された主演作「紙の月」の公式会見に、共演の池松壮亮、メガホンをとった吉田大八監督とともに臨んだ。年下の恋人のために顧客の預金を横領する銀行員・梅澤梨花に扮した宮沢は、「大八監督の緻密な演出のもと、梨花という役、そして作品をつくる時間は妥協がなく、これ以上のものはできないと思いながら演じた。その積み重ねで出来たものなので、自信があるといえばある。胸を張って皆さんのもとへお届けできる作品になったと思う」と真摯な眼差(まなざ)しで語った。
7年ぶりの映画主演作での演技が評価され、第28回山路ふみ子女優賞を吉永小百合に続き、史上2人目となる2度目の受賞を果たしたばかりの宮沢。23日に行われた同映画祭のオープニングセレモニーで「7年間ためていたものを全て吐き出した」と語っていたが、その胸中にある思いを丁寧な口調で語り出した。
「10代の頃から映像の仕事をするなかで、30歳になったときに野田秀樹さんの舞台『透明人間の蒸気』に出演させて頂いたときに、自分のあまりの無力さに驚いたんです。『このままじゃいけない!』。40歳までに、出来るだけ舞台に心も時間も費やしたい。40代で、舞台にちゃんと立っていられるようになりたいと思いました。どうしても40歳までの目標を達成したいと思い、たくさんの演劇をやるなかで多くの発見がありましたし、豊かになれるものをいっぱい頂きました」。
そして機は熟し、「40歳になって今度は映像と演劇をバランスよくやっていこうと思った時にこのお話をいただきました。『よし、じゃあこの7年のあいだに自分が得たものを、この映像の世界に放出しよう!』と思いました」と明かす。海外の作品について興味の有無を問われると、「素敵な監督、脚本さえあれば、どこへでも飛んで行くつもりです」と話し、ほほ笑みを浮かべた。不倫相手役を演じた池松は、「いろんな女優さんとお仕事をしてきましたが、これだけひとつの作品に身も心も捧げる人を、僕は初めて見ました」と最敬礼だ。
吉田監督は、「彼女が蜷川幸雄さんや野田秀樹さんとお仕事をされているとき、僕には映画から距離を取っているように見えたんです。映画側からすると、悔しかった」と胸のうちを明かす。今作では「いちかばちかでオファーをしたら、やってくれると。嬉しかったですね。この映画で勝負ができると感じ、自信になった」と笑みを浮かべる。日本映画として唯一のコンペティション部門選出となったが、自信のほどを聞かれ「競争ですから。その言葉の意味は理解しているつもり。負けたくない」と言葉に力を込めた。
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