安藤桃子監督&安藤サクラ姉妹、摩擦を補う“最強”コンビで挑んだ「0.5ミリ」
2014年10月21日 15:47
[映画.com ニュース] 俳優・奥田瑛二とエッセイスト・安藤和津を両親にもつ安藤桃子監督と、実妹で女優の安藤サクラが初タッグを組んだ「0.5ミリ」の完成披露試写会が10月21日、東京・有楽町スバル座で行われ、姉妹そろって舞台挨拶に立った。
本作が長編2作目となる安藤監督が、自身の介護経験に着想を得て書き下ろした小説を映画化。ある事件をきっかけに職を失い、人生の崖っぷちに立たされた介護ヘルパーの山岸サワ(サクラ)が、ワケありの老人を見つけては身の回りの世話を買って出て、押しかけヘルパーとして生きていく姿を描く。
父・奥田がエグゼクティブプロデューサー、母・安藤がフードスタイリストを務め、家族一丸となって製作に取り組んだ本作。安藤監督は、「姉妹で映画を作るのは最強。だけど家族で映画を作るのはしんどい」と本音をこぼしながら、「だけどその摩擦を補う信頼関係があった。この映画でしか家族一緒に作れないと思った」と改めて家族の絆を再確認していた。
共演陣には柄本明、坂田利夫、草笛光子、津川雅彦ら大ベテランが顔をそろえたが、サクラは「実は臆病なので緊張した。でも現場で監督がうまいことやってくれたので、とっても楽しかった。それぞれのおじいちゃまのキャラクターを見ているだけで幸せだった」と充実した撮影を振り返った。
老人介護やセクシャリティの問題などさまざまな社会問題を織り交ぜながらも、安藤監督は「生まれたら死ぬ。じゃあ人はいったいどうやって生きているんだろうというのが根底にあった」と吐露。サクラも、「介護やヘルパーという言葉を聞くと社会派と思われるかもしれないけれど、サワちゃんはとんでもない女(笑)。フーテンでハードボイルドなスーパー介護ヒーローのエンタテイメントな映画」と語った。
「0.5ミリ」は11月8日から公開。