若尾文子、市川雷蔵さんの知られざる素顔を語る 親交のきっかけは「京都祇園のうどん」
2014年8月30日 18:45

[映画.com ニュース] 女優の若尾文子が8月30日、今年で映画デビュー60周年を迎える故市川雷蔵さんの代表作を上映する特集「雷蔵祭 初恋」のトークイベントに出席。若尾は、「映画は形に残るもの。こうして何年経っても若い雷蔵さんを見ることができる」と感慨深げだった。
1954年にデビューした市川さんは、「眠狂四郎」シリーズ、「陸軍中野学校」「炎上」など、日本映画黄金期のスター俳優として活躍。37歳という若さで死去したが、わずか15年の映画俳優人生の中で159本の作品に出演し、没後45年経った今でも多くの人々を魅了している。
今回、フィルム原版の劣化により今まで上映困難だった初期作品がデジタル化により復活。勝新太郎さんと共演したデビュー作「花の白虎隊」(54)をはじめ、「喧嘩鴛鴦」(56)、「旅は気まぐれ旅まかせ」(58)などの初期6作品に加え、代表作あわせて計47作品を一挙上演する。
本特集上映作品の中での若尾と市川さんの共演作は、「ぼんち」「好色一代男」「朱雀門」など6作品。最初の共演作「朱雀門」では、「歌舞伎という畑の違う人なのでご一緒するのは緊張していた。それでいっぱいいっぱいで、細かいことはよく思い出せない。特に記憶に残っているのは『ぼんち』」と明かした。
また、「私は取っ付きにくいのか、最初はあまりかまわれなかった。でもある時、京都の祇園のおいしいうどん屋さんに連れて行ってもらい、『こんなにおいしいおうどんは初めていただいた』とお礼を言うと、雷蔵さんも『もっと早く誘えばよかった』と言ってくれた」という。それ以来親交が深まり、「雷蔵さんはお正月の休暇によくハワイに行っていたので、その度に絹でできたムームーとかおみやげをたくさん買ってきてくれた」と思い出を語った。
稀代の映画スターとして、数多くの女性をとりこにした市川さん。若尾は、「雷蔵さんはスクリーンでは颯爽(さっそう)としているけど、実際はいたってひょうひょうとしていた」。また、「頭がよくて非常に毒舌な方。嫌いな人には言わず、気に入った人にだけ言う。人を傷つける毒舌じゃないけれど初めての人は驚く」と知られざる素顔を明かした。
そして、「雷蔵さんは亡くなる少し前に『鏑矢(かぶらや)』という劇団を作ろうとしていて、『2人でやらないか?』ってお誘いをいただいた。舞台ってやったことがなかったので怖かったけれど、『参加させていただきたいわ』とお返事した。だけど、その後まもなく雷蔵さんが病気になられて実現しなかった。もし亡くならなかったら、良い舞台俳優になっていらしたと思う」と故人に思いを馳せた。
「雷蔵祭 初恋」は、9月19日まで角川シネマ新宿ほかで開催中。
フォトギャラリー
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

ミッキー17
【前代未聞のオール社畜レビュー】史上最凶のブラック仕事を描いた痛快作…社畜が観たらどうなった!?
提供:ワーナー・ブラザース映画

観ないとぜっったい後悔する
【ラスト5分の破壊力】そして“観たことないシーン”のゲリラ豪雨に、感動を超えてもはや放心状態――
提供:東和ピクチャーズ

片思い世界
【“鑑賞確定”の超期待作】広瀬すず×杉咲花×清原果耶主演×「はな恋」製作陣…そして涙腺崩壊へ
提供:リトルモア

侍タイムスリッパー
【ついに見放題“最速”配信中!!!】観たかった人も、何度も観た人も今すぐ観て!【ネタバレ厳禁】
提供:JCOM株式会社

この村の住人は、人間を喰ってる――
【衝撃の問題作】異常なクオリティで世界が熱狂…“絶対的支持”の理由を徹底解説!
提供:ディズニー

映画を安く観たい人、絶対にチェックして!
【映画2000円は高すぎる!!?】知らないと損な“1250円も安く観る裏ワザ”、ここに置いときます
提供:KDDI

厳選した名作“だけ”をあなたに。
【探す時間、ゼロ】家のテレビが「あなただけの24時間シアター」に!(提供:BS10 スターチャンネル)