関ジャニ∞渋谷すばる「味園ユニバース」に赤犬×鈴木紗理奈×天竺鼠・川原が参戦

「苦役列車」「マイ・バック・ページ」の山下敦弘監督の最新作で、単独での映画主演はこれが初めてとなる渋谷が歌うこと以外すべての記憶を失った男を演じている。また、モスクワ国際映画祭で最優秀作品賞を受賞した「私の男」でも話題の二階堂ふみがヒロイン役で共演する。

大阪のある広場で行われていたバンド「赤犬」のライブ中、若い男がステージに乱入し、マイクを奪って歌い始める。会場は騒然とするが、観客は男の歌声に圧倒された。ライブ終了後、男には記憶がないことが分かるが、その才能に興味を持ったマネージャーのカスミ（二階堂）は彼に“ポチ男”というあだ名を付け、自宅のスタジオで働かせることに。やがて、ポチ男はバンドのボーカルに迎えられるが、失われた過去には大きな問題があった。

メンバー全員が山下監督と同じ大阪芸術大学の卒業生という赤犬は、劇中でも“赤犬”という名前のバンドとして登場し、それぞれが本人役を演じる。日常のやりとりの場面では、おかしみのあるメンバーならではの素朴さで作品に温かみをもたらし、ライブシーンでは渋谷の圧倒的な歌声やパフォーマンスをさらに盛り上げ、見事な化学反応を起こしたという。

バラエティ番組「めちゃ×2イケてるッ！」でおなじみの鈴木は、2005年の「劇場版 ナニワ金融道 灰原勝負! 帰死回生のおとしまえ!!」以来約9年ぶりの映画出演。03年からMUNEHIRO名義でレゲエシンガーソングライターとして活動しているが、本作では派手でセクシーな女医マキコとして白衣姿も披露する。ポチ男（渋谷）を「記憶喪失ではないか」と最初に診断する人物で、かすみ（二階堂）の相談役にもなるという役どころだ。小藪千豊主演の「FLY！　平凡なキセキ」（02）に続き2度目の映画出演となる川原は、ポチ男の過去に深く関わる狡猾なチンピラ、タクヤ役を演じる。

タイトルにある「味園」は、1956（昭和31）年に開業した、大阪・千日前に建つ飲食店、大宴会場、ホテル、マッサージ店などが入る、歓楽街を1棟に集約させたような現存するビルで、大阪の古き良き昭和の香りを伝える建物として地元民から長年親しまれてきた。また「ユニバース」は、同ビルにあった老舗の豪華キャバレー。隆盛を極めたものの11年に営業を終了し、現在はその名のまま貸しホールとなり、若者たちからはライブ会場として認知されている。

本作はオール大阪ロケを終え、7月上旬にクランクアップを迎えた。15年2月に東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国で公開。