女優としてまい進する佐々木希、初ホラー「呪怨」で到達した新たなステップ
2014年6月27日 13:20
[映画.com ニュース] 「実はホラーは苦手です(笑)」--ジャパニーズホラーの代名詞「呪怨」シリーズの最新作「呪怨 終わりの始まり」で主演を務めた女優・佐々木希。「誰でも知っている有名な作品なので、うれしいという気持ちがありつつ、大丈夫かなという不安もありました」と率直な気持ちを明かすが、晴れ晴れとした表情からは手ごたえが感じられる。「アフロ田中」「サンゴレンジャー」「風俗行ったら人生変わったwww」とさまざまな役に挑み、女優としてのキャリアを積み上げている佐々木は、ホラー映画初出演となった「呪怨」でどのような進化を遂げたのか。
呪われし親子・佐伯伽椰子と俊雄が、ホラーアイコンとして人々に恐怖をもたらしてきた「呪怨」シリーズ。本作では、「感染」「シャッター」といったホラー映画を手がけてきた落合正幸監督による恐怖描写で、新任小学校教師・結衣が不登校を続ける俊雄の自宅を訪問したことから、呪いの輪にのみこまれていく。
佐々木が挑んだ結衣は、「勇敢な女性。俊雄くんが不登校を続ける理由を知るため、どんどん前へ前へと進む勇気と強さを持っています。でも、彼氏の前では柔らさがあるキャラクターなので、メリハリをつけようと頑張りました」。異様な状況のなか、結衣のなかでも何かが壊れはじめる。そして迎える壮絶なラストシーンで、佐々木は恐怖に加え絶望や悲しみを体現。「どうすることもできず、驚くこともできないほどショックなことが起きたときって、人間は言葉を失うのかなと思ったら、自然と涙が出てきたんです」と新境地を開拓した。
映画、ドラマと女優としての幅を広げている佐々木。ジャンルを問わず意欲的に作品に出演を重ねるなかで、女優業との向き合い方に変化が訪れた。
「考え方や現場でのあり方など、この1、2年でかなり心境の変化がありました。明確なきっかけというと難しいですが、年齢とともに変わったのだと思います。今回は主演ということもありいろいろと不安があったのですが、とにかく楽しい現場がいいなと思って。前はそういうことや、自分の責任というものを考えることも少なかったかな。気が張って、強がっていたのかもしれないですね。そういうものが一気に抜けた感じがしていて、そのほうが楽しいなと思うようになったんです」
ホラー映画への出演も、新たなステップへとつながっている。「いろいろな作品に出演していても、叫んだり、驚くということはあまりないので、一気に感情を持っていって驚くのが大変で、集中力と想像力を切らさないようにしていました。怖がり方という表現も含めて、すごく学ばせていただいた現場です。自分の中でひとつ引き出しが増えたかなって。今後また、ホラーやサスペンスものをやりたいと思わせてくれました」
ホラー、ミステリー、サスペンスジャンルに意欲を燃やす一方で、これまでとは違ったごく普通の女の子を演じてみたいと声を弾ませる。「何をやってもうまくいかない、もがいている女の子の役をやってみたいです。“普通”ということこそ、とても難しいと思うんです。いろいろな役に挑戦して、いろいろな引き出しを増やしたいと思います」。そんな佐々木が今、目指す女優像とは?
「技術も大事ですが、バンッとすぐに感情を持っていくことができる女優になりたいです。切り替えの良さや集中力がある、器用な女優になりたい。不器用なんです(笑)」
「呪怨 終わりの始まり」は、6月28日から全国で公開。
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