夢枕獏の山岳小説が映画化!「エヴェレスト 神々の山嶺」メガホンは平山秀幸監督
2014年6月20日 06:00
[映画.com ニュース] 第11回柴田錬三郎賞を受賞した夢枕獏氏の山岳小説「神々の山嶺」が、「エヴェレスト 神々の山嶺(かみがみのいただき)」のタイトルで映画化されることが決定した。スケールの大きさからこれまで映画化が実現しなかった作品に挑むのは、「愛を乞うひと」の平山秀幸監督。劇場映画でメガホンをとるのは、2011年の「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」以来となる。すでにロケハンなどが始まっており、来春、ネパールほかで撮影を敢行する予定だ。
原作は、世界最高峰の山に魅せられたふたりの男の交錯する人生を軸に、険しくそびえ立つ山々に命を賭けて挑む姿と、彼らを取り巻く人々の思いを壮大なスケールで描いた大作。原作者の夢枕氏は、「なんということであろうか。この物語が、現実に映画化される日が来ようとは。現実にヒマラヤの高所まで、カメラを持ち込み、俳優も監督、スタッフも、全員が行くことなしには考えられない映画である。それが実現するのである。ここまで待ってよかった。凄い映画になると思う」と期待のコメントを寄せた。
日本人カメラマンの深町誠がヒマラヤ山脈を望むネパールの首都・カトマンズの裏街で見つけた古いカメラには、「ジョージ・マロリーは、1942年6月8日にエベレスト初登頂に成功したか?」という登山の歴史上最大の謎を解く可能性を秘めていた。そのカメラの過去をたどり伝説のアルピニスト羽生丈二に出会った深町は、「天才クライマー」と呼ばれながらも、無謀で他人を顧みないため常に孤立している羽生の過去を調べるうち、その生きざまにのみ込まれていく。
「陰陽師」シリーズでも知られる夢枕氏が1994年から97年まで「小説すばる」に連載。谷口ジロー作画による漫画版も刊行され、第5回文化庁メディア芸術祭マンガ部門の優秀賞を受賞した。小説・漫画とも、中国語や韓国語、英語、欧州各国語などに翻訳され、現在までに全世界で合計発行部数100万部を突破している。
映画「エヴェレスト 神々の山嶺」は16年に全国公開。