新垣結衣&大泉洋、初共演「TWILIGHT ささらさや」で息ぴったりの夫婦像を体現
2014年6月17日 05:00
[映画.com ニュース] 新垣結衣と大泉洋が夫婦役で初共演する「TWILIGHT ささらさや」の撮影現場がこのほど、東京の日活調布撮影所で報道陣に公開された。初共演とは思えない2人の息ぴったりのかけ合いに、深川栄洋監督率いる現場は和やかな空気に包まれていた。
加納朋子氏によるファンタジーとミステリーが融合した小説「ささら さや」(幻冬舎文庫)を映画化。突然の交通事故で夫ユウタロウを亡くした妻サヤは、ひとり悲しみを乗り越えながら、生まれたばかりの息子ユウスケを育てようと奮闘する。身寄りのないサヤが心配で成仏できないユウタロウは、人の体を借りながらサヤと息子を陰ながら支えていく。
この日は、数少ない夫婦そろっての回想シーンを撮影。ノスタルジックな雰囲気漂うセットで、2人は貧しくも愛に満ちあふれた夫婦像を描き出した。売れない落語家のユウタロウを演じる大泉は、初共演の新垣を「テレビやCMなどで踊ったり歌ったりしているので“きゃっきゃっ”といったイメージがあったけれど、実際はとても落ち着いてらっしゃる方」と意外な大人っぽさに驚き。新垣も、「大泉さんはすごく理解力のある方。私が伝えたいこともうまく汲み取ってくれて、話していてすごく楽しい。より素敵な一面が見えた」と“相思相愛”だった。
「恋空」「ハナミズキ」など正統派ヒロインのイメージが強い新垣だが、本作では自身初となる母親役に挑戦しており、「サヤはユウタロウがいなくてメソメソしているけど、芯の根っこの部分は強くてしっかり自分をもってる人。それが周りに助けられて成長していく」と強い母親へと変わっていく。赤ちゃんとのシーンも、「スタッフの方が色々な技を使って赤ちゃんを必死にあやしている中、それに惑わされずに芝居に集中するのは思った以上に大変。赤ちゃんの良い顔を撮ろうと思ってみんな一丸となっている」と“子育て”奮闘中。パパ役の大泉はそんな新垣を見て、「1カ月前に比べて今日見るとだいぶ慣れていました。きっと数々の修羅場を経たんだなって(笑)。赤ちゃんは私を『おい、新顔だな』って顔で見ている」とほほ笑んだ。
「60歳のラブレター」「神様のカルテ」の深川監督といえば、耳元で優しくささやく演出が有名だが、本作でもそれは健在。「半分の月がのぼる空」で深川組を経験している大泉は、「心情表現、ホロっとくるシーンがうまい方。だけど今回はテイストがちょっと違って、非常にコメディ要素も強い。面白さを追求するような演出はこれまでなかったけれど、笑いに関してもとことんやる人」と強いこだわり。さらに、「監督から『かっこいい大泉さんはひとつもいらない。とことん面白くしてほしい』と言われ、最初は大きなカツラにホクロとメガネをつけられたけれど、さすがにプロデューサーからNGが出た(笑)」と裏話を明かした。
さまざまな人に乗り移って現れるユウタロウと対峙する新垣は、「みんなが共通して同じ仕草をしたりもするけれど、どこを強調するかはそれぞれ違って面白い。乗り移られる人も大泉さんがリハーサルで演じているものを元に演じているので、大泉さんが目の前にいなくても大泉さんをうまくイメージできた」と大泉の不在も想像力で補った。
クランクアップまで残りわずかとなったこの日、大泉は「生まれたばかりの赤ちゃんとお母さんを置いて死んでしまうなんて本当に悲劇ですけれど、それを軽いタッチでコメディとしても成立させている。それでいて泣けるところはしっかり泣けるエンタテイメントなので、出来上がりが楽しみ」と期待を込めた。
「TWILIGHT ささらさや」は5月下旬にクランクアップし、現在ポストプロダクション中。今秋に全国で公開。
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