国民的女優・綾瀬はるかと名画「モナ・リザ」が醸し出す絶妙な共通項
2014年5月31日 07:30
[映画.com ニュース]綾瀬はるかにとって、主演最新作「万能鑑定士Q モナ・リザの瞳」(佐藤信介監督)は、座長として1年を駆け抜けたNHK大河ドラマ「八重の桜」のクランクアップ後、初めての仕事だった。綾瀬自身も「私自身、大河を撮影しながら『きっと、自分のなかで何かが変わるはず』という気持ちで、次の作品がすごく楽しみでした」と振り返る。実際には「それがそんなに変わっていない(笑)」といい、「久しぶりにお会いした佐藤監督からは『貫禄が出たね』ってやたら言われましたけど……。自分の成長って、自分ではわからないものですね」と、どこまでも自然体だ。(取材・文/内田涼、写真/江藤海彦)
原作は松岡圭祐氏によるミステリー小説「万能鑑定士Qの事件簿」シリーズ。ヒロインの凜田莉子(りんだりこ)が、超ロジカルな思考と膨大な知識に基づく驚異の鑑定眼を武器に、さまざまな難事件を解決していく。映画はファンの間でも人気が高い第9巻をベースに、仏ルーブル美術館の臨時学芸員にスカウトされた莉子が、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画「モナ・リザ」の40年ぶりとなる来日の裏でうごめく巨大な陰謀に立ち向かう姿を描いた。昨年11月、日本映画として初めてルーブル美術館でのロケを敢行した。
劇中には莉子が、豊かな感受性を生かした記憶法を使って、たった一晩でフランス語を習得するというシーンがある。綾瀬自身もフランス語のセリフに挑戦。莉子と同じようにはいかず、「そうできればいいんですけど(笑)。実際にはクランクインの前に1回だけ、フランス語の先生からレッスンを受けました。最初はセリフをカタカナで書こうと思ったんですが、厳しい先生で『それはダメ』と怒られてしまって……。でも、結局いただいたテープを聞いて、全部カタカナにして暗記したんです(笑)。莉子のフランス語は“覚えたて”という設定なので、ものすごく上手じゃなくてもいいですよねって」
メガホンをとる佐藤監督とは、綾瀬が声優を務めた長編アニメーション「ホッタラケの島 遥と魔法の鏡」(2009)以来のタッグ。意外にも綾瀬が、同一監督と再び組むのは初めてのことだ。「顔の角度や動きのタイミング、間合いや言い回しのちょっとしたニュアンスまで、指示はかなり細かいですね。監督のなかにあるイメージに、ピタっと一致するまでOKは出ない。でもその分、完璧にこなしたいという意欲がかき立てられます」
最後に、佐藤監督が指摘する“貫禄”について改めて感想を求めると「いやあ、いいんだか、悪いんだか……。でも出来あがった作品を見ながら、思っていた以上に莉子ちゃんの芯の強さがドシっと出ているなと思いました。監督が言う貫禄って、このことかなって(笑)」。
「経験が増えていくと、自分に『できること』と『できないこと』、『やりたいこと』と『やりたくないこと』が見えてきてしまう。でも結局はいろんな状況のなかで、一日一日を積み重ねていくしかないんだろうなって思っています。ちっちゃなこと…例えば毎日の食事だったりを大事にしながら、ハッピーに年齢を重ねていきたいです。細かいことは気にしません!」
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トニー・レオンとアンディ・ラウが「インファナル・アフェア」シリーズ以来、およそ20年ぶりに共演した作品で、1980年代の香港バブル経済時代を舞台に巨額の金融詐欺事件を描いた。 イギリスによる植民地支配の終焉が近づいた1980年代の香港。海外でビジネスに失敗し、身ひとつで香港にやってきた野心家のチン・ヤッインは、悪質な違法取引を通じて香港に足場を築く。チンは80年代株式市場ブームの波に乗り、無一文から資産100億ドルの嘉文世紀グループを立ち上げ、一躍時代の寵児となる。そんなチンの陰謀に狙いを定めた汚職対策独立委員会(ICAC)のエリート捜査官ラウ・カイユンは、15年間の時間をかけ、粘り強くチンの捜査を進めていた。 凄腕詐欺師チン・ヤッイン役をトニー・レオンが、執念の捜査官ラウ・カイユン役をアンディ・ラウがそれぞれ演じる。監督、脚本を「インファナル・アフェア」3部作の脚本を手がけたフェリックス・チョンが務めた。香港で興行ランキング5週連続1位となるなど大ヒットを記録し、香港のアカデミー賞と言われる第42回香港電影金像奨で12部門にノミネートされ、トニー・レオンの主演男優賞など6部門を受賞した。
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文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
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