宮沢りえ「紙の月」タイでクランクアップ!11月に繰り上げ公開決定
2014年4月22日 06:00

[映画.com ニュース] 女優・宮沢りえが、約7年ぶりに映画主演を果たした「紙の月」がこのほど、タイ・バンコクでクランクアップを迎えた。また、本作は2015年の公開が予定されていたが、撮影を終え手応えを感じた製作側の思いから、前倒しとなる今年11月に劇場公開されることが決定した。
「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八監督が、原田知世主演でテレビドラマ化もされた、直木賞作家・角田光代氏の第25回柴田連三郎賞受賞作を映画化。宮沢をはじめ池松壮亮、大島優子、田辺誠一、近藤芳正、石橋蓮司、小林聡美らが結集し、平凡な主婦が引き起こした巨額横領事件を描く。
わかば銀行に勤める主婦・梅澤梨花は、丁寧な仕事ぶりで高い評価を得ていたが、私生活では夫との間に溝が生まれていた。そんななか、大学生・平林光太と出会い肉体関係を持つようになった梨花は、光太と派手なデートを繰り返すうち顧客の金に手をつけてしまう。
宮沢は、主人公・梨花役で矛盾と葛藤(かっとう)を抱え堕ちていく女性に挑み、池松が恋人・光太、田辺が夫・正文役で梨花を取り巻く男性に扮する。小林が先輩職員・隅より子、大島が窓口担当の若手職員・相川恵子というオリジナルキャラクターで、物語に緊張感を与える。
本作は、1月27日に東京でクランクイン。3月12日に国内撮影を終えると、29、30日にデモの影響で厳戒態勢にあったタイ・バンコクでのロケを敢行し、全編クランクアップとなった。当初、タイロケは実景のみの予定だったが、宮沢の申し出から芝居を取り入れた撮影に変更されており、ラストシーンは「もはや宮沢さんは監督に何も聞くことなくこれ以上ないほどの表情を見せ、また監督もあえて特段の演出も行うことなく、最高のシーンを撮ってくれました」(池田史嗣プロデューサー)と自信の仕上がりになった。
現在、編集にあたっている吉田監督は、「クランクインからアップまで、2カ月にわたりカメラの前で宮沢りえをはじめとする素晴らしい俳優たちが身も心も振り絞って見せてくれた奇蹟の全てを、一滴も残さず映画に封じ込めたい!……そんなテンションで毎日編集中です。観客の皆さんはもちろん、誰より僕自身が見たいので、なる早で仕上げて松竹に納品します!」とコメントを寄せた。
「紙の月」は、11月から全国で公開。
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