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綾野剛、喜びかみしめる 「そこのみにて光輝く」モントリオール映画祭出品決定

2014年4月10日 19:15

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佐藤泰志氏の母校を訪れた呉美保監督と綾野剛
佐藤泰志氏の母校を訪れた呉美保監督と綾野剛

[映画.com ニュース] 俳優の綾野剛が4月10日、主演映画「そこのみにて光輝く」の原作者・佐藤泰志氏の母校である東京・国学院大学の渋谷キャンパスを呉美保監督とともに訪れ、特別試写会に集まった学生たちを歓喜させた。また、モントリオール世界映画祭コンペティション部門への正式出品が発表され、舞台上で吉報を知った綾野は「参加できるだけでうれしい。映画って世界を超えられる瞬間があるはず」と喜びをかみしめた。

芥川賞候補に幾度も名を連ねながら受賞がかなわず、41歳で自ら命を絶った不遇の作家・佐藤氏。愛を捨てた男(綾野)と愛をあきらめた女(池脇千鶴)の運命的な出会いを、北海道・函館のひと夏を通じて描いた長編小説を映画化した。

綾野は「自分がここにいるのは場違いな気がしている」と恐縮気味だったが、「佐藤さんは本当はこのように生きたかった、このように人を愛したかったのではないかと思った。佐藤さんは俯瞰(ふかん)で現場を見守ってくれている“守護神”みたいな感じ。今日もきっと喜ばれていると同時に、恥ずかしがっているだろうな」と故人に思いを馳せた。

呉監督は、「これまで家族の話を2本撮ってきて、ラブストーリーは自分にとって初めてのジャンルだったので、どんな演出をすればいいのか色々と考えた」と新境地を開拓。また、役作りのために毎晩酒を飲んでいたという綾野を「朝にむくんだ顔で撮影しても、午後の覚悟を決める大事なシーンではすっきりした顔でやってくる。きちんとコントロールできていることに私は感動した!」と称え、「母性本能をくすぐるし、年下の女の子からも『この人に守られたい』と思わせる男」とすっかり心酔していた。

綾野は不器用ながらも一途な男を熱演し、「自分を愛することができない人を、ちゃんと抱きしめていける世の中になってほしいと映画を見て思った。皆さんの心にも何かひとつ愛が灯ってくれたら幸い」と語り、「影響されることを恐れず、変化を恐れず、こびずに謙虚に。自由な発想で楽しんでほしい」と社会に羽ばたいていく学生たちにエールを送った。

そこのみにて光輝く」は4月19日から公開。

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