スターの同性愛カミングアウトをめぐる状況に大きな変化
2014年3月10日 12:25

[映画.com ニュース] 若手女優のエレン・ペイジが、2月にLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)の若者のための会議「Time to Thrive」で同性愛をカミングアウトすると、多くの海外メディアが「勇気ある行為」と報じた。ここ数年、セレブやスターたちのセクシャリティのカミングアウトをめぐる状況は大きく変化している。
25年前の社会は現在ほどセクシャリティに関して寛容ではなく、ハリウッドでは特にその傾向が強かった。1984年の「アナザー・カントリー」でゲイの主人公を演じ脚光を浴びた英俳優ルパート・エベレットは、89年に出版した半自伝的小説のなかで同性愛を公表。以降仕事が激減し、再びゲイ役を好演した「ベストフレンズ・ウェディング」(97)で再ブレイクの兆しを見せたが、その後もハリウッド大作の主演とは縁がなかった。その結果、2009年には「正直、売れたいと思っている俳優たちに、カミングアウトはすすめられない」と発言している。
また、レズビアンだとテレビで公表した最初の人物エレン・デジェネレスもキャリアの危機に直面したひとりだ。97年に、自身が主演するシットコムで演じているキャラクターに告白させる形でカミングアウトしたが、その後番組の人気は低迷し翌シーズンで放送打ち切りに。そんなデジェネレスだが、昼のトーク番組の司会として抜群のコメディセンスを発揮。今では好感度No.1の女性に選ばれるほどの人気を築き、3月2日(現地時間)に行われた第86回アカデミー賞授賞式では司会の大役も務めた。
そしてここ数年、LGBTのサポートを目的にカミングアウトするスターが後を絶たない。10年、オスカー女優アンナ・パキンはLGBTに対する差別撤廃を訴える「Give a Damn」キャンペーンの一環として制作られた公共CMに出演し、両性愛をカミングアウト。翌11年には、同性愛を理由にいじめられていた10代の少年が自殺した事件をきっかけに、「HEROES」「スタートレック」のザッカリー・クイントがゲイを公表した。
12年にはマット・ボーマー(「ホワイトカラー」)のような二枚目俳優も、同性婚と代理母による子どもが3人いることを公表。昨年は「プリズン・ブレイク」のウェストンワース・ミラーが、同性愛者であることを理由にロシア・サンクトペテルブルク映画祭からの招待を辞退した。映画祭ディレクターに宛てた書簡のなかで、同国で成立した同性愛宣伝禁止法に反発している。
かつてハリウッドでは自身の性的指向を公にすることは考えられなかったが、今では自分の経験を語り、同じ悩みを抱える人たちを励まそうとしたり平等の権利を訴えたりする姿勢が称賛の的になっている。セクシャリティの公表を大きく報じることを疑問視する向きもあるが、LGBTに対する偏見や差別、不平等といった問題の周知や解決への起爆剤として、スターたちのカミングアウトとその影響力は大きな関心を集めている。
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